怠け者? Definitely No!
労働現場で「気合が足らん」と言われていた症例
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所見の解説
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舌圧子の上方移動が二段である ➜ 二峰性拍動(pulsus bisferiens/biphasic
pulse)
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同所見は閉塞性肥大型心筋症(spike and
dome型)または大動脈弁逆流(鋭い2峰)
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本例の二峰性拍動は後半が前半より小さいが後半のフレも鋭い(dome型ではない)
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心エコー図で大動脈弁輪拡張と高度大動脈弁逆流を認めた(大動脈弁は三尖あり)
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肥大型心筋症の二峰性拍動は通常,後半成分が鋭くならない(自験例1・自験例2)
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独り言
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本例は舌圧子を用いなくても頸動脈の鋭い拍動(コリガン脈)を認めることに注目(頸部の中央を注視すれば二峰性も見えてくる).コリガン脈は座位の方がより明瞭に観察できることが多い(重力による虚脱増強のため:自験例).一方,肥大型心筋症であれば頸部の陽性波は通常,頸静脈のa波である(自験例).
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本例は労働現場ですぐに休みたがるため職場仲間から「気合が入っとらん!」と言われていたようである.一方,診察室に入って来られた瞬間にコリガン脈から診断したため患者さんと家族にとても驚かれた.「いままでいくつかの医療機関を受診したのに…」と聞いて逆にこっちが驚いた.
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