このブログを検索

2024-11-14

キャノンは見えずとも...

ふらつきを訴える症例

🚑 現場実況
  • 本例は前医の心電図を持参されていたため,診察時には3度房室ブロックが既に分かっていました.さっそく大砲A波(Cannon a wave)を確認しようとしましたが,予想に反してあまりはっきりしません.
  • そこで吸気負荷(前負荷増大)を行ってみました.すると頚部がみるみる膨らんできて(通常のクスマウル徴候よりもはるかに大)ちょっとびっくり 😧 患者さんも苦悶の表情だったので慌てて負荷を解除

 👽 つぶやき
  • 本例でキャノン波が不明瞭であった理由は不明ですが,やはり心房機能の低下でしょうか(特にブースター機能>リザーバー機能の障害?)
  • 完全房室ブロックになると,通常では聞こえないような小さいⅣ音が認識できることが少なくありません(Ⅰ音と分離するため:自験例).
  • しかし本例ではⅣ音は聴取されませんでした(心房の機能低下に合致).心房細動の既往はありませんが,将来発生する確率が高いかも...

松下記念病院 川崎達也)

0 件のコメント:

コメントを投稿