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2019-02-28
👴 歴史クイズ
ドイツ人医師のアドルフ・クスマウル(Adolf/ph Kussmaul、1822-1902)で以下の3所見を発見
クスマウル徴候
吸気時に頸静脈怒張(通常は吸気時に軽減)➜
収縮性心膜炎
など
奇脈
吸気時の収縮期血圧低下が10mmHg以上(通常は3-9mmHg低下)➜ 心タンポナーデなど
クスマウル呼吸
異常に深大な呼吸の連続 ➜ 糖尿病性ケトアシドーシスなど
クスマール
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(
松下記念病院
川崎達也)
2019-02-25
よく見ると…
冠動脈バイパス術の既往のある症例の慢性左心不全の増悪時(座位かつ呼吸調整なし)
解説
左鎖骨上で内頸静脈の明瞭な拍動(陥凹)が確認できる ➜ 静脈圧上昇
一見
フロッグ・サイン
➜ しかしよく見ると2回陥凹して1回休む三拍子
正中よりの鎖骨上に見える動脈拍動(隆起)と頸静脈陥凹の関連を意識
2つ目の陥凹(動脈拍動後)がより深い ➜ 心エコー図での高いE波を示唆
👶 実は,頸静脈の規則正しい速い拍動から安易に
フロッグ・サイン
と判断してしまった反省すべき症例.房室結節リエントリー頻拍の予想に反して,心電図では正常洞調律であった.頸静脈をもう一度確認して,dominant y(x谷<y谷)の3拍子であることにようやく気づいた.
frog sign
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(
松下記念病院
川崎達也)
2019-02-21
耳もチラ見 👂
循環器外来で遭遇した3症例
症例1
(左)➜ 耳垂に45度の皺(別名はフランク徴候やearlobe crease)
症例2
(中)➜ 外耳道からはみ出す毛がとても目立つ(ear-canal hair)
症例3
(右)➜ 耳垂皺と外耳道毛が共存(症例1もよく見ると外耳道毛あり)
いずれの所見も動脈硬化(主に冠動脈疾患)と関連することが報告されている
耳垂皺の3万例以上のメタ解析:感度62%,特異度67%(
Int J Cardiol 2014;175:171-5
)
両側に耳垂皺を認めれば冠動脈疾患の特異度がさらに上昇(
Dermatology 2004;209:271-5
)
外耳道からはみ出す毛の検討はあまり多くないのですが…(
Indian Heart J 1989;41:86-91
)
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(
松下記念病院
川崎達也)
2019-02-18
心尖拍動クイズ
高度の僧帽弁逆流を有する症例の心尖拍動(左半側臥位で舌圧子は収縮期に右)
心尖拍動パターンは持続時間の長い抬起性 ➜ 心肥大が疑われる
よく見ると舌圧子の大きな偏位後に小さなフレ ➜ 拡張早期の急速流入波(ventricular kick)の疑い
左半側臥位であるため心拡大の有無は判定しない方がいい ➜
理由
👶 心尖拍動で拡張早期の急速流入波(ventricular kick)を視診・触診できる症例はⅢ音を聴診することが多い.実際に本症例でも大きなⅢ音を認めた.ただしⅣ音の視診・触診(ダブルインパルス/atrial kick)に比べて急速流入波(ventricular kick)の視診・触診は分かりにくいことが多い(と思う).
関連投稿
Ⅳ音の視診・触診・聴診
心尖拍動
(Ⅲ音ありの症例)
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(
松下記念病院
川崎達也)
2019-02-14
心尖拍動 坐位
弁膜症による慢性左心不全の症例(坐位で記録/呼吸停止なし)
心尖拍動は通常は仰臥位で確認して,その後左半側臥位でも評価する(触知率が上昇するため).立位あるいは坐位で心尖拍動を認めることは必ずしも多くないが,視認すれば心拡大を疑う.特に本例のように,心尖拍動の最外側点が鎖骨中線より外側&心尖拍動が2肋間以上で観察できれば,心拡大の確率が高い.
過去の投稿
👻
仰臥位の心尖拍動による心拡大の評価 ➜
コチラ
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(
松下記念病院
川崎達也)
2019-02-07
過剰心音 三兄弟
Ⅳ音
(Ⅰ音直前の過剰心音)
Ⅲ音
(Ⅱ音直後の過剰心音)
Ⅳ音+Ⅲ音
(四部調律のギャロップ)
上記の過剰心音はいずれも低調成分であり聴診器のベル側をそっと当てた時にのみ聞こえる
ベル側の押し付けや膜側では聴取不能(本例のように雑音がない症例ではⅠ音とⅡ音のみになる)
👶 頭で考えなくても条件反射で診断できるまで聞き込みたい(英語耳ならぬ心音耳をつくる👂)
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(
松下記念病院
川崎達也)
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