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2021-07-15

心疾患の有無を視認しよう!

動悸と息切れを訴える症例(端座位で呼吸調整なし)

👻 解説
  • 正面像で心尖拍動を右乳輪下の広い範囲で視認可能 ➜ 心拡大の疑い
  • 規則的は心尖拍動ではない ➜ 心房細動あるいは期外収縮頻発の疑い
  • 左側面像で拍動の隆起は持続時間が長い(抬起性)➜ 心肥大の疑い
  • 最終診断は左室心筋緻密化障害と僧帽弁逆流による慢性心不全増悪
  • 本例は予想通り心拡大と心肥大があり心室期外収縮が頻発していた

👽 追加コメント
  • 心尖拍動で心疾患の有無(心肥大あるいは心拡大)をある程度推察して,頸静脈拍動から心不全の状態(代償性あるいは非代償性)を推察するようにしています.いずれも端座位の視認で可能なのでオススメです.その後に触診と聴診を追加して診断のさらなる絞り込みを行います.
  • もちろん心尖拍動のみから過剰心音の存在を推定することもできます(解説).しかし非代償性心不全を示唆するⅢ音の視認は分かりにくいことが少なくないと思います(比較的明瞭な 自験例1自験例2

松下記念病院 川崎達也)

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