小さいけど患者さんは知っています

発熱が続く症例の左示指

👆 解説

• 遠位指節間皮線の上に少し盛り上がった結節が2個（下図）
• 下図の赤丸には圧痛があったが，青丸には圧痛がなかった
• ただし青丸は以前は圧痛があり次第に消失したことが判明
• 血液培養で腸球菌が検出され，僧帽弁の前尖に疣種を確認
• 最終診断は感染性心内膜炎のオスラー結節（Osler's node）

😺 追加コメント

• 熱源検索時には末梢サインを隈なく探すことが大切です．その出現頻度は2~30%程度ですが，発熱＋血培＋末梢サインのみで感染性心内膜炎と診断できるからです．心エコー図による疣腫（以前は疣贅と言っていた）の検出は必須ではありません！
• ジェインウェイ病変（Janeway lesion）は無痛性の血管塞栓であるためじっくり観察しないと分かりません．しかしオスラー結節は免疫反応による有痛性の隆起です．患者さん本人が自覚していることが少なくありません（本例も患者さんが教えてくれました）．多彩な末梢サインを示した自験例 ➜ コチラ

🉐 感染性心内膜炎の過去の投稿は コチラ（PC版なら画面右の分類からも選択可）

（松下記念病院 川崎達也）