このブログを検索

2022-10-13

頸静脈と頸動脈の組み合わせ

消化器系の悪性腫瘍の術後症例

💛 解説
  • 座位の頸部に周期的な拍動(動画の矢印) ➜ 触診で動脈性=コリガン
  • 内頸静脈の拍動なし ➜ 中心静脈圧の高度(目安 >15cm水柱)上昇なし
  • しかし吸気時や深吸気保持中には鎖骨上窩に陥凹性拍動(動画中の*)
  • 大動脈弁逆流があり,なんとか代償されている慢性心不全状態と予想
  • 実際に心エコー図で中等度の大動脈弁逆流症があり,BNP値は200台

💜 ひとり言
  • 頸部の動脈と静脈の組み合わせから,基礎心疾患とその重症度を判定できることがあります.つまり頸動脈拍動から大動脈弁疾患(逆流あるいは狭窄)や閉塞性肥大型心筋症を疑い,頸静脈拍動から心不全の有無や重症度を判定することができます.
  • この動脈と静脈の共演は今まで何度か報告してきました(自験例1自験例2自験例3).しかし目立つ方に気を取られ両者を同時に認識することは稀でしたが(個人的にはスマホの動画を見直し後で気づく),今回は診察室で診断できました 😀

松下記念病院 川崎達也)

0 件のコメント:

コメントを投稿