息切れを訴える症例(端座位)
🐦 解説
- 顔がほぼ90度左側を向いている ➜ 各種頸静脈にも影響あり
- 内頸静脈 ➜ 拍動を視認し吸気後は上縁上昇(頸部の上1/3)
- 外頸静脈 ➜ 胸鎖乳突筋までは怒張(吸気負荷への反応なし)
- 前頸静脈 ➜ 安静時に周期的拍動が明瞭(上縁は内頸と同じ)
- ただ吸気では前頸静脈上縁はあまり変わらない(内頸と乖離)
😀 ショート動画は多くを語る
- 安静時の前頸静脈の心周期に伴う明瞭な拍動(上縁の上下運動)を考えると,外頸静脈にも同様の拍動が観察されてしかりです.よって本例は顔を左方に強く向けたことで外頸静脈が胸鎖乳突筋に圧排されていると考えられます.つまり「頸静脈拍動の評価時には首の回転はほどほどに」
- 内頸静脈の拍動上縁は吸気負荷後にかなり上昇しています(広義のクスマウル徴候が陽性).一方,明瞭な拍動を認めた前頸静脈の上縁は,吸気負荷でもさほど上昇していません.つまり「中心静脈圧の推定に,内頸静脈以外はあまり頼ってはいけない(特に周期的拍動を欠く時)」
- 「内頸静脈が座位で視認できる時に,吸気負荷で拍動が消失する症例があるのでは...」という意見があるようです.一見もっともらしく聞こえますが,個人的にはあまり経験したことがありません.つまり「座位で陽性ならクスマウルで悪化(吸気陽性)」😑 これは現在,調査中です
(松下記念病院
川崎達也)
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