- 当院初期研修医の平野先生が循環器内科で経験した症例が出版されました🎉
- 身体所見が診断契機になったトランスサイレチン型心アミロイドーシスです
- このATTR型は高齢者に多く簡便なマーカーがないため診断が遅れがちです
- 本例は著明肥大にも関わらずⅣ音(S4)なし+ポパイ徴候が診断契機でした
😀 追加コメント
- 本例の左室駆出率は55%で左室はびまん性に肥厚し(15 mm程度),左室心筋重量係数は111.9 g/ms2(基準: 56〜92 ms2)でした.ドプラ指標はE/A 2.66,E/e' 32.0とグレードⅢの高度拡張障害でした.しかし通常なら存在が予想されるⅣ音を聴取せず,心音図でも記録されませんでした.
- 心臓アミロイドでは肥大があるのにⅣ音を欠くことは従来から論文に記載されてきました(Am J Cardiol 2000;86:244-6/Clin Cardiol 2021;44:322-31).しかしこれらはエキスパートオピニオンです.友人のフィジカル巨匠が実データを現在投稿中と聞いています(出版がとても楽しみです 😄)
- 心アミ症例でⅣ音(S4)を欠く機序は心房へのアミロイド沈着と考えられます.本例でもピロリン酸が両心室のみならず両心房に集積していました(下図).以前の投稿「問題:硬い左室+Ⅳ音なし=?」はいつも頭の片隅に置いておきたい事です.なお肥大型心筋症の心房の辛抱も忘れずに 😁
👉「論文」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(松下記念病院
川崎達也)
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