検診で心電図異常を指摘された無症候例
👥 ダブルインパスルス(二峰性心尖拍動)
- 左半側臥位で抬起性(持続時間の長い)の心尖拍動(矢印)
- よく見るとグググといった(スムーズでない)隆起パターン
- 付箋をつけるとその立ち上がりが一峰性でないことが分かる
- 最終診断は肥大型心筋症(非閉塞性かつ非対称性中隔肥大)
👤 コメント
- Double apical impulseとは小さな振れ(atrial kick=A波=心房収縮波)の後に大きな振れ(抬起性)が続く心尖拍動で,肥大型心筋症にかなり特異的です(感度27%・特異度98%)(当院の研究).つまりあればおそらく肥大型心筋症と確定可
- 問題はダブルインパスルスを認識できるか否かです.視診・触診・聴診の中では視診が最も難しいと思いますが,これは慣れで克服できると思います.本ページには肥大型心筋症の二峰性拍動が多数アップされているので確認してみてください(ココ)
- 視覚の時間分解能は低いと思われますが,指先は超高感度の圧センサーです.何かギクシャクした隆起だと思ったら是非,指先で感じてみてください(触ってなんぼの法則).ポイントは指腹でなくて指先でしょうか.ズズンと伝わってくるでしょう.
- 個人的にはⅣ音が好きかつ得意なので,ダブルインパスルスよりも巨大Ⅳ音(心房収縮波の音版)を信頼しています.ただし閉塞生の肥大型心筋症では収縮期雑音が過剰心音の聴診を難しくすることが少なくありません(自験例).この時は指先に全集中
(松下記念病院
川崎達也)
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