肥大型心筋症による慢性心不全例(座位)
😎 解説
- 安静座位で鎖骨上に内頸静脈の陥凹あり(矢印)
- クスマウル徴候陽性:吸気で陥凹 ➜ 隆起(矢印)
- 前かがみで内頸静脈の陽性拍動が明瞭化(矢頭)
👟 Bendopnea(前屈時呼吸困難症)
- 前かがみになると通常,頸静脈拍動がより明瞭になります.その機序は,前屈による胸腔内圧の上昇に伴い左室拡張末期圧や肺動脈楔入圧,右房圧などがさらに高くなるためと考えられてれます(JACC Heart Fail 2014;2:24-31).
- 上記の心内圧の増加に加えて,体位変換による物理的な距離の変化もその一因かもしれません.本例の動画からも分かるように,前屈時には心臓と内頸静脈の垂直距離が短縮します(いわば首から上だけの[逆]半座位のような感じ?)
- いずれにせよ吸気や左上肢挙上と同様に簡便な負荷に違いありません.患者さんに「ちょっと前かがみになってもらえませんか」と言うだけです.そして「普段の生活でこういう体勢はしんどくありませんか?」と続けてみてください.
👀 前屈に関する過去の投稿 ➜ コチラ
(松下記念病院
川崎達也)
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