多量の利尿薬でも息切れが続く慢性心不全症例
🦵 解説
- 浮腫は目立たない ➜ 心不全で体液量は調整済
- 足関節周囲~遠位に境界不明瞭な色素沈着あり
- 下肢静脈瘤を示唆する所見なし(立位でもなし)
- 鱗屑や苔癬化はないが,うっ滞性皮膚炎と判断
- 最終的に重症連合弁膜症と診断し弁置換術予定
👍 追加コメント
- 本例は充分な利尿薬が投与されていたが,高度の弁膜症(僧帽弁逆流と大動脈弁逆流,三尖弁逆流)が残存し肺高血圧状態であった.うっ滞性皮膚炎と言えば下肢静脈瘤で有名であるが,心不全症例でも少なからず経験(他の自験例)
- 下肢静脈血栓を伴わない外来の心不全患者158例の検討(Hippokratia 2022;26:13-8)では,26%にうっ滞性皮膚炎を認め,有意に心不全入院と関連した(ハザード比2.827).個人的な印象でも外科手術を要すなど重症心不全に多い.
- なお本例では母趾爪が一見,黄色爪(Yellow nail syndrome)のように見えたが,指爪の色調には問題なかった.爪白癬などによる爪肥厚に関連した偽性黄色爪症候群(Pseudo yellow nail syndrome)と考えられた(ただし未精査)
👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(松下ERランチ・カンファレンスの名物コーナー)
(松下記念病院
川崎達也)
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