慢性左心不全で通院中の症例(座位)
😊 解説
- 座位で内頸静脈の拍動 ➜ 中心静脈圧は高度に上昇
- 拍動は陥凹でなく隆起で上縁は下顎角より上(矢印)
- 左上肢垂直挙上負荷を行うが所見にあまり変化なし
- 外頸静脈の拍動上縁も安静・負荷ともに頸部の中央
- 本例の症状は安定し労作時の増悪もあまり認めない
😎 独り言
- 座位で内頸静脈拍動を視認(座位陽性)なら,中心静脈圧の高度上昇が疑われます(>15 cm水柱).本例のように上縁が高くかつ隆起型ならほぼ確定です.このような症例には通常何らかの対策が必要です(利尿薬追加や入院加療).しかし治療抵抗性の座位陽性例も臨床現場では稀ながら経験します.
- 左上肢の挙上負荷は吸気負荷よりも心負荷が大きいと思われます(機序:過去の投稿).座位陽性心不全症例で,その高負荷に対する頸静脈所見の増悪が乏しければ,労作時の症状増悪が少ないような気がします.つまり悪いながら安定している心不全(advanced but stable HF)かもしれません.
(松下記念病院
川崎達也)
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