検診で心電図異常を指摘された男性(無症状)
👶 解説
- 前胸部に陥凹があり漏斗胸と判断
- 心窩部に周期的陥凹もあり(矢印)
- 橈骨動脈の拍動と一致し右室拍動
- 本例は無症状で心エコー図も正常
😃 追加コメント
- 漏斗胸では胸郭の前後径が小さくなり,右心系の異常がなくても明瞭な右室拍動をしばしば経験します(他の自験例:コチラ).三尖弁や僧帽弁の逆流を伴うこともありますが,本例くらいの漏斗胸で問題になることは少ないと思います.
- 本例の受診契機は心電図異常でした.漏斗胸26例の手術前後での心電図検討:II誘導のP振幅とV1のP陰性振幅が減少,平均QRS幅の減少,Sokolow-Lyon指数の減少,V4-V6のJ波が増加(J Electrocardiol 2016;49:174-81)
- 漏斗胸の心電図にはもっとピンポイント判定法があるようです.それはV1の陰性P+Qrパターン+陰性T波です(北海道医報 第1249号).V1電極がaVRと同じ角度になるからだそうです(なるほど&何事もその道の匠はすごい😳)
(松下記念病院
川崎達也)
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