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2022-05-19

呼吸反応+拍動パターン:判定量的評価

慢性左心不全で加療中の症例が息切れの悪化を訴えた

🐦 解説
  • 深吸気保持で鎖骨上窩に陥凹(矢印)が出現(クスマウル徴候が陽性)
  • よくみると通常呼吸時にも吸気時に陥凹(広義のクスマウル徴候陽性
  • さらによく見ると,内頸静脈の陥凹はy谷が優位(通常ではx谷が優位)
  • 慢性左心不全の増悪と診断して内服薬の調整を行なった(利尿薬追加)

🐤 追加コメント
  • 内頸静脈拍動は二峰性の陥凹が基本です(復習).通常はx谷>y谷で,中心静脈圧の上昇に伴いx谷<y谷収縮期陽性波と変化することが多いと思います.
  • 座位で鎖骨上に内頸静脈拍動の有無を視覚的に判定する簡易定性法はあくまでも定性法ですが,上記の拍動様式を評価すれば半定量的な評価もできます.
  • さらに呼吸に対する反応も追加可能(例:通常呼吸の吸気時に認めれば,通常のクスマウル負荷陽性よりも重症で,拍動パターンがx谷の閉塞ならより重症)

松下記念病院 川崎達也)

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