頸静脈クイズ

• 息切れで来院した中年女性の頸静脈（臥床＋枕あり）
• 若い頃に先天性心疾患を指摘されるが放置していた

🐒 解説

• 頸部の拍動が目立つ（触診で動脈性ではなく静脈性と判断）
• 陽性波であるがよく見ると二峰性！（小隆起の後に大隆起）
• 視聴診では小さい隆起と大きな隆起の間にⅠ音が存在した
• 最終診断は大きな左右シャントを有している心房中隔欠損

🐙 頭の整理

• 前半の小隆起は増高したa波と思われる．このような所見は肥大型心筋症で有名 ➜ 自験例1（内頸静脈）／自験例2（外頸静脈）．後半の大きな隆起は増高したv波で，左右短絡量が多い心房中隔欠損で出現することが知られている．これは高度の三尖弁逆流でも出現する（ランチージ徴候）．頸動脈の二峰性陽性波（Pulsus bisferiens）と言えば閉塞性肥大型心筋症や高度の大動脈弁逆流を考慮

フィジカル　広場　心臓　physical exam examination

（松下記念病院　川崎達也）