人名が冠された身体所見3つとは?
1.テリー爪(Terry’s Nails)
- 第2指を除き爪床の乳白色部が80%まで増加し遠位端のみピンク色が残っている
- 肝疾患に加え,腎疾患,心不全,糖尿病,甲状腺機能亢進,栄養不良などで出現
- 英国の医師 R. Terry が肝硬変に伴う所見として報告(Lancet 1954;266:757-9)
2.リンジー爪(Lindsay’s Nails)
- 第2指では爪床の乳白色部が20~60%(half-and-half nailとも称される)
- 米国の医師 Philip G. Lindsay が報告(Arch Intern Med 1967;119:583-7)
- βメラノサイト刺激ホルモン蓄積が原因と考えられ慢性腎疾患などと関連
3.へバーデン結節(Heberden's node)
- 第3指などの遠位指節間(DIP)の腫脹(加齢・反復刺激に伴う変形性関節症)
- 英国の医師 William Heberden が報告(London, T. Payne, News-gate, 1802)
- 中手指節間(MP)関節や近位指節間(PIP)が主なら関節リウマチ(自験例)
🐥 臨床現場
- 本例には実際,肝疾患・心疾患・変形性関節症がありました.腎疾患は認めませんでしたが,思ったよりも正解でちょっとびっくり 😮
👻 爪に関する過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(松下記念病院
川崎達也)