- 最近では右心カテーテルを行う機会はめっきり減少しました.しかし頸静脈所見を解釈するためには,右心カテーテルで得られる圧波形を知っておくことが重要です.少し前にSNSで目にした論文(*)が気になったため,右心カテーテルの歴史と代表的な波形を復習してみました.
♻ 歴史
- 西ドイツの泌尿器科医フォルスマン(Werner Forssmann、1904-1979)が自らの腕を切開して尿道カテーテルを右心房まで到達させレントゲンを撮影した(Klinische Wochenschrift 1929;8:2085). その一件で病院を解雇されたが,これは世界初の心臓カテーテルで1956年にノーベル生理・医学賞を受賞.同じ様な行動をとった医師が他にもいたがフォルスマンのみ写真が残っていたらしい(#)
- フランスの医師・生理学者であるクールナン(André Frédéric Cournand, 1895-1988)が,右心カテーテルによる圧測定および心拍出量の測定法を確立した(J Clin Investig 1945;24:106).フォルスマンと同時にノーベル生理・医学賞を受賞した.同年は3人の同時受賞でもう1人はリチャーズ(Dickinson Woodruff Richards Jr.,1895-1973)
- アイルランドの心臓専門医スワン(Harold James Charles “Jeremy” Swan,1922–2005)とスロバキア生まれのアメリカの心臓専門医ガンツ(William Ganz,1919-2009)が先端にバルーンが付いた肺動脈カテーテル(別名:スワン・ガンツカテーテル/Swan-Ganz catheter)を開発(N Engl J Med 1970;283:447-51)
(松下記念病院
川崎達也)
0 件のコメント:
コメントを投稿