TRICORDER 試験 👀
Lancet 2026;407(10529):704-15
- 背景: 心血管疾患の早期発見は、世界的な公衆衛生上の優先事項である。人工知能(AI)搭載聴診器は、心不全、心房細動、弁膜症(VHD)のポイントオブケア検出において、優れた性能特性を発揮する。
- 方法:英国のプライマリケア診療所を、介入群(日常診療におけるAI聴診器の使用に関するトレーニングと導入)または対照群(日常診療)に1:1でクラスター無作為化した。心臓検査中、AI聴診器は15秒間の単誘導心電図と心音図信号を記録し、3つのAIアルゴリズムに入力して、左室駆出率低下(≤40%)、心房細動、およびVHDの有無に関する二値予測を返した。
- 結果:205の診療所がランダムに割り当てられた (介入群に96施設 [登録患者 701,933人]、対照群に109施設 [登録患者851,242人])。介入群の診療所では、心不全の検出はグループ間で差がなかった (IRR 0.94 [95% CI 0.86-1.02])。地域ベースまたは病院ベースの診断に差はなかった (p>0.05)。
- 解釈: AI聴診器を日常的なプライマリケアに導入しても、導入後12か月経過しても心不全の検出率や地域ベースの診断率は有意に増加しなかった。ただしAI聴診器の使用は、心不全、心房細動、弁膜症の検出率の有意な上昇と独立して関連していた。
😑 独り言
- 少し分かりにくい結果かな~と思います。特に「AI聴診器の使用は、心不全、心房細動、弁膜症の検出率の上昇と関連するが、心不全の検出率や地域ベースの診断率は有意に増加しなかった」という点です。抄録の解析はIntention-to-treat analysisですが、図のPer-protocol adjusted incidenceでは差がありそうです(両解析法の違い)
- これに関する筆者らのコメントAI訳 →「アルゴリズムの性能は良好であったにもかかわらず、3疾患の検出率の向上は集団規模では達成されず、使用状況に依存することが明らかになった。また、実世界での導入において克服すべき大きな課題、例えば低い利用率や関連するワークフローの不整合なども明らかになった。」…なるほど(!?)
💁 AI(人工知能)に関する過去投稿は コチラ(PC版なら右下欄から選択可能)
(松下記念病院
川崎達也)


