このブログを検索

2026-04-30

第90回 日本循環器学会学術集会より

📢 心音に関する臨床研究

演題OJ01-8 Utility of a Digital Stethoscope for Severity Assessment of Aortic Stenosis(奈良県立医科大学)
  • 経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)外来を受診した大動脈弁狭窄症(AS)患者をデジタル聴診器で評価し、デバイスで割り当てられたAS重症度と心エコー図の重症度を検討。デジタル聴診器はASの重症度を判定するのに有用であり、専門医への紹介を検討する際に、心臓専門医以外の医師にとって実用的なトリアージツールとして役立つ可能性がある。(投稿者追加:使用した聴診器名とその判定基準の記載なし)

演題PE019-6 Simple Auscultation of the Heart for Detecting Valvular Heart Disease(大阪府、松下記念病院)
  • 標準5点聴診とシンプル聴診を、心エコー検査と心音図を行った992人で検討。5点で心雑音が認められないことは、VHDを除外する特異度75.2%、感度58.9%。左胸骨第2縁と心尖部(特異度74.7%、感度59.2%)または左胸骨第3縁と心尖部(特異度74.9%、感度59.1%)に限定した場合も、同様の診断能。(投稿者追記:当院からの英語ポスター発表、演者は初期研修医で発表前に論文完成👍)

演題LBCT3-5 Evaluation of the Diagnostic Utility of Pre-Echocardiographic Digital Auscultation: A Prospective Comparative Study(香川大学)
  • 心エコー検査を受ける240人の患者で、AI分析を行うスーパー聴診器を使用して聴診を先に行い、検査者に結果が開示されるグループと、事前の聴診なしで心エコー検査を受ける対照グループに1:1で割り当て。スーパー聴診器は、収縮期駆出雑音(大動脈弁狭窄症)、逆流雑音(僧帽弁逆流症)、拡張期雑音(大動脈弁逆流症)を、なし~軽度または中等度~重度に分類した。主要評価項目全体で有意差は認められなかった。しかし、聴取可能な心雑音のある患者では、聴診先行群で大動脈弁逆流症の評価が有意に改善された。

演題CRJ27-6 Experience with the Use of an AI-Assisted Digital Stethoscope in Combination with Echocardiography(香川大学)
  • 心エコー検査の前に実施するAI支援デジタル聴診の臨床的有用性を評価。対象は心臓内科および心臓血管外科から心エコー検査のために紹介された患者。デジタル聴診によって得られた弁膜症の診断を心エコー検査の結果と比較では、僧帽弁逆流症と大動脈弁狭窄症については、デジタル聴診は心エコー検査と一致する診断結果。ただし、僧帽弁狭窄症はこの方法では検出されず。(投稿者追記:検討数や診断能などの数値は未記載)

演題PJ67-4 Detection of Moderate or Greater Aortic Stenosis Using a Deep Learning Model with Digital Phonocardiogram in a Multicenter Validation Cohort(AMI株式会社, 熊本大学病院)
  • 心音図(PCG)と単一誘導心電図(ECG)信号を利用して中等度以上の重症度のASを特定する深層学習ベースのモデル(eASモデル)の診断性能を評価。954人の患者のうち、7.3%が中等度以上のASを有していた。eASモデルはAUC 0.962(95%信頼区間:0.946~0.978)を達成。事前に指定された閾値では、感度は92.9%、特異度は87.7%であり、LR+は7.55、LR-は0.08であった。モデルから得られた確率は、心エコー図パラメータと強い相関あり。(投稿者追記:さすがに超聴診器開発元の解析👏)

演題CO1-10 次世代心不全スクリーニングツール:心音・心電図AIシステムとNT-proBNP診断能の比較検証(愛知県、あま市民病院)
  • 超聴診器AMI SSS1による検査を施行した連続347例のうち、NT-proBNP値が前後7日間以内に測定されていない、またはeGFR 30未満の症例を除外した225例が対象。心負荷判定とNT-proBNP値との関連を後方視的に解析。NT-proBNP各値(125/400/900)と心負荷判定を用いたROC曲線分析の結果、> 900 pg/mLと心負荷判定B以上(AUC=0.81)、またはA2以上(AUC=0.81)の相関が最も良好。超聴診器は心不全スクリーニングにおいてNT-proBNP値の代替ツールとして有用である可能性が示唆。

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2026-04-27

新アプリ:循環器フィジカル - 100本ノック -

  • 2025年4月から1年間にわたり循環器に関するフィジカルクイズを毎週X(旧Twitter:@PhysicalExamin1)で発信してきました(監修:循環器Physical Examination講習会).
  • こちらのページには2週分ずつまとめてアップしてきました(ココ).この計100問を簡単に復習できるように無料アプリにまとめました循環器フィジカル -100本ノック-
  • アプリ化にあたり福田先生に全問題をレビューいただきました(本当にありがとうございます🙏).成績に応じて格付けされ,100問をミスなく完遂したらマイスターに認定
  • マイスター到達時は,フィジカルの巨匠 坂本二哉先生の金言が表示されます(下図右下:ご本人の了解を得ております).練習モードや復習モードもあるのでご活用ください.


松下記念病院 川崎達也)

2026-04-23

論文 🏆 低灌流の身体所見パート1

  • 当院の臨床研究が論文になりました.Kasai K, Kanehiro C, Honda S, Sakai C, Shindo A, Harimoto K, Kawasaki T. Physical Assessment of Congestion and Perfusion Status in Heart Failure. Cardiology 2025 May 5:1-11. Epub ahead of print.(PMID: 40324360
  • 現在の心不全ガイドラインでは,血行動態評価を4つの臨床プロファイル(すなわち dry-warm,wet-warm,dry-cold,wet-cold )に基づいて行うことが推奨されています.そこで活用されるのがノリアスティーブンソン分類ですが,必ずしも簡便とは言えません.
  • 本検討では心不全症例の低灌流を反映する身体所見の中で,腋窩と指先の温度差および指先の冷感の有無は共に,予後予測に有用であることを示しました.そして頚静脈所見と組み合わせた場合,Nohria-Stevenson分類と同程度の診断能を有していました.

- 心不全例の末梢所見と心血管事故 -

👉「論文」の過去の投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2026-04-20

フィジカルクイズ(No. 49 & 50)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週金に循環器に関するフィジカルクイズをX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらのページには2週分ずつまとめてアップします.



👻「フィジカルクイズ」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2026-04-16

坂本二哉先生の業績の紹介

  • 2026年3月14日に開催された循環器Physical Examination講習会で,日本の心臓病学の父といわれる坂本二哉先生の業績を福田信夫先生(四国こどもとおとなの医療センター)が紹介されました.
  • 有料配信でしたが,ご本人および主催者(循環器Physical Examination研究会)のご厚意で,一般公開されることになりました.循環器フィジカルに関する偉業を是非,ご堪能ください.


松下記念病院 川崎達也)