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2026-06-18

心尖拍動:収縮後期バルジ(late systolic bulge)

心筋梗塞の既往がある症例

😋 解説
  • 臥位で明瞭な心尖の拍動あり
  • 拍動は左乳輪外側 → 心拡大
  • 隆起の長い抬起性 → 心肥大
  • 橈骨動脈の拍動から時相分析
  • 隆起は収縮の後期 → 心室瘤
  • 実際に心エコー図でその通り

💁 心尖拍動とは
  • 心尖拍動は,心臓の,特に左室機能を評価する大切な動きです.その定義は「the most lateral palpable ventricular movement or the most lateral cardiac impulse」,「the outward movement of the left ventricular apical region」で,一般的には,胸壁上に触れる最外側の拍動とされています.心尖拍動は左室心尖部の運動を反映し,主に左室の内圧と容積の変化によって形成されますが,その拍動の性質および記録した波形は,心外性要件,すなわち胸壁と心臓との結合(coupling)の状態に大きく影響されます(例:心膜,開心術後). 
  • 心尖拍動の評価ポイントは,①位置(normal position, lateral deviation),②広さ(narrow, wide),③性状(tapping, sustained)の3つで,そのなかでも性状が大切です.そして,心尖拍動を客観的に波形として記録し,その性状を示したものが心尖拍動図です.心尖拍動を測る際には,左半側臥位のほうが仰臥位よりも圧倒的に触知率が高く,また仰臥位と左半側臥位では波形および計測値が異なるため,記録体位は左半側臥位に統一したほうがよいでしょう.

引用)黒木 茂広先生の解説そのまま(medicina 2015;52:pp.762-3

松下記念病院 川崎)

2026-06-15

カラヴァッジョの「聖アンデレの磔刑」

  • 先日、インディアナ大学医学部循環器内科のダニエル・M・ ゲルフマン先生のよる面白いエッセイ(?)を眼にしました(Am J Med. 2026 Jul;139(7):838-839)。タイトルは"When looking for treatable diseases, don't forget the jugular veins”です(邦訳:治療可能な疾患を探す際には、頸静脈を忘れないでください)。内頚静脈と外頚静脈が明確に区別されていない点は気になりますが、頚静脈ネタが一流誌に掲載されていることをとても嬉しく思います。

先日、クリーブランド美術館で、著名な美術史家によるプレゼンテーションの一環として、カラヴァッジョの「聖アンデレの磔刑」(1606-7年)を鑑賞しました。この絵画について議論された際、聖アンデレの右側に立っている女性には大きな甲状腺腫があると説明されました。首の下部に大きな腫れがあるため、これは私にとって驚きではありませんでした。しかし、心臓専門医である私は、甲状腺腫と思われるものを見る前に、鎖骨よりかなり高い位置まで異常に拡張した右外頸静脈に衝撃を受けました(図1)。(鎖骨は右心房から約10cm上にあるため、これは直立した状態では正常ではありませんが、病的なものではない可能性があります。)その後、医学文献を調べていたところ…以下省略(僅か428 words)

松下記念病院 川崎達也)

2026-06-11

鶏と卵の関係?

息切れ増悪で呼吸器内科から紹介(座位)

🐣 解説
  • 目立つ胸鎖乳突筋はCOPDに合致
  • その奥に右内頚静脈の陥凹(矢印)
  • 吸気負荷で拍動上縁の上昇(矢頭)
  • 診断は心不全の合併(COPD安定)

🐔 独り言

松下記念病院 川崎達也)

2026-06-08

循環器フィジカル - 100本ノック -


循環器領域の身体所見を学習するために作成された無料アプリ「循環器フィジカル -100本ノック-」の動画版です.2026年4月から循環器Physical Examination講習会の公式SNSに毎週金曜日にアップしています.こちらのコンテンツにも2週分ずつまとめてアップします.

👻「フィジカルノック」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2026-06-04

非典型的胸痛

労作とは関係ない胸痛を訴えて来院した高齢者

💀 解説
  • 左写真:耳垂に皺あり(フランク徴候が陽性)
  • 右写真:「胸部症状はどこですか?」の質問後
  • 手掌で心臓のあたりを指すパームサイン陽性
  • 緊急カテで左回旋枝に高度狭窄を認めPCI施行

💫 臨床裏話
  • 本症例は他院で肥大型心筋症として長年フォローされていた方でした.来院時の心電図では著明な左室肥大を認めました(ST上昇はなし).心エコー図では不均一な左室肥大がありましたが,明らかな壁運動異常はないと判断.高感度トロポニンも陰性
  • 非発作時には心電図のST低下が少しだけ改善しました.しかし派手な左室肥大を呈する肥大型心筋症例では,後負荷や前負荷,心拍数の変化でST-T部分が変わることは稀ではありません.我々もこの時点では積極的に冠動脈疾患を疑っていませんでした.
  • 一旦,入院で経過観察しつつ,かかりつけ医からの情報提供を待つことにしました.しかし,その後も断続的に5-10分持続する胸部症状が出現しました.フランクサインとパームサイン(いずれも虚血性心疾患と関連)もありCAGに踏み切りました.

松下記念病院 川崎達也)