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2019-09-30

匠の業

  • 頸静脈拍動のa波は心電図のP波に対応 ➜ 下図の心房収縮(AS)
  • 頸静脈拍動のx下降は右房の拡張に対応 ➜ 下図の心室収縮(VS)
  • よって理論的には頸静脈拍動から不整脈を類推することができる


😶 頭の整理
  1. a波が消失 ➜ 心房細動や洞停止
  2. a波とx下降の関係 ➜ ウェンケバッハ型2度房室ブロックやモビッツII型2度房室ブロック,2:1房室ブロック
  3. 間欠的に巨大a波(cannon wave)➜ 3度房室ブロック

👶 おまけ
  • 頻脈になると波形解析は困難であるが,房室結節リエントリー性頻拍で出現するフロッグ・サイン 🐸 は覚えておきたい ➜ 自験例1自験例2

関連投稿 💣
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2019-09-26

頸静脈波のa波は(多分)特異度が高くない

  • 心電図で期外収縮を指摘された青年の頸静脈(枕あり臥床)

😶 解説
  1. 頸静脈波のa波が目立つ(右の拡大像で黒子の隆起に注目)➜ 一見,肥大型心筋症を疑った
  2. y下降が目立たない点も同疾患に合致 ➜ ただ健常者でy下降が目立たないことは少なくない
  3. 抬起性 or 二峰性心尖拍動やⅣ音はなかった ➜ 肥大型心筋症は否定的(心エコー図で確認)
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2019-09-23

👴 歴史クイズ



フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2019-09-19

一目瞭然 やっぱり右!

  • 虚血性心疾患による慢性心不全症例が2:1伝導の心房粗動を発症した

👿 再確認
  1. 右房圧や中心静脈圧(=上大静脈圧など)の推定には右側の頸静脈を使用(その直線的位置関係から)
  2. 右側では外頸静脈よりも内頸静脈の方が望ましい(より内側に存在かつ有効な逆流防止弁を欠くため)
(オリジナル図)
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2019-09-16

頸静脈拍動の復習

  • 頸静脈波は基本的に3つの陽性波(a,c,v)と2つの陰性波(x,y)から成る

主たる成因
  1. a波 ➜ 右房の収縮
  2. c波 ➜ 三尖弁の右房側への膨隆
  3. x下降 ➜ 右房の拡張
  4. v波 ➜ 静脈還流による右房の充満
  5. y下降 ➜ 三尖弁の開放による右房圧の低下

👿 再確認
  • 動脈は隆起として触知されるが,頸静脈は陥凹として視認されることが多い.健常者は収縮期のx下降と拡張期のy下降の二峰性陥凹を示すが,y下降が明瞭でない症例も少なくないので注意が必要である(実例

🐳 厳密に言えば…
  • a波以降がx下降で,その最下点がx谷である.同様にv波に続くy下降の最下点がy谷である.x下降の内c波以降はx'(エックスプライム)下降と呼ばれるが,c波は通常視認できないためx下降と呼ぶことが多い.ちなみにc波の"c"はcarotidの"c"である.
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2019-09-12

肥大型心筋症の二峰性心尖拍動

  • 心室中部閉塞性肥大型心筋症の心尖拍動(左半側臥位)

🔎 解説
  • 心尖拍動は小さな振れ(atrial kick=A波=心房収縮波)の後に大きな振れ(抬起性)が続く二峰性のダブルインパルス(舌圧子は収縮期に画面右方に移動)
  • 左半側臥位での心尖拍動が左乳房下あたりなので心拡大はなさそう(心尖拍動は左半側臥位では仰臥位よりも左外側に1-2横指以上移動するため注意を要する)

  • ダブルインパルスの分かりやすさ ➜ 触診>舌圧子>視診(👴 個人的意見です)
  • 肥大型心筋症の抬起性および二峰性心尖拍動の頻度は以下(当院自験例より)
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2019-09-09

サパイラ先生 Dr. Joseph D. Sapira



📕 独特で個性的な英語あるいはとても難解な英語と評されることがあるようです(毒舌との噂も…).でも実際は無駄のないとても分かりやすい英語だと思います(投稿者もオリジナルの初版を所有:上図).随所に挿入されている”ボールド書体”の部分は,まるでサパイラ先生が隣でつぶやいているような錯覚に陥ります.表紙はとても印象的です(特に色と写真).

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フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2019-09-05

心窩部拍動

  • 慢性心不全(ステージ4)の症例の座位の胸部所見(呼吸調整なし)
  • 左前胸部には両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRTD)

👿 解釈
  • 心尖拍動(左乳房下)に加えて心窩部の拍動にも注目.本例はCTで拡大した右室が前胸部と広い範囲で接していたため,心窩部の拍動は右室によると考えられた.通常は左室収縮が右室収縮よりも少し先行するが,本例での拍動は心尖部と心窩部は同時と考えられる.本例は両室ペーシングの植込み後で,右室と左室の収縮のタイミングを同時(VV delay = 0 ms)に設定してあることが影響しているのであろうか...(👴CRTの調整方法 ➜ コチラ
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2019-09-02

50/50 murmur

  • 50歳より高齢の症例では50%に硬化した大動脈弁由来の収縮期駆出性雑音を聴取すること

👿 出典?(Constant Jのbedside Cardiology, 5th ed, p 219)
  • What percentage of patients over age 50 have an easily audible aortic ejection murmur without valvular stenosis? ➜ About 50%. Therefore, we have called this the "50 over 50" (50/50) murmur.

👶 おまけ
  • 陳旧性心筋梗塞の既往や心電図で左室肥大を有する高血圧症例を除外すれば,その雑音の頻度は30%に低下する(J Am Geriatr Soc 1976;24:29-31

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