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2026-07-13

フィジカル広場✨LIVE

  • 身体所見は、画像診断が発達した今日でも大切です。診断に役立つだけでなく、臨床に彩りを添え、診療を楽しくしてくれるからです。そんなベッドサイド技術をリアルに学ぶ場がフィジカル広場ライブです。
  • 職種や学閥の垣根を越え、誰もが身体所見を学べる場の創設を目指しました。また日頃、皆様が抱いておられる疑問や悩みを解決できるよう、双方向型のスタイルを採用しています。願いは医療の質の向上です。
  • 身体所見の達人による30分のレクチャー後に、30分の質問コーナーがあります。参加費は1回ワンコイン(500円)で、1週間のオンデマンド視聴付。明日からの臨床にきっと生かせる知識をお届けいたします。


😎 独り言
  • 講師の先生方に抑えた謝礼で協力してもらっても、当面は赤字運営です。しかし参加者が増加してくれば、継続配信できる目算は充分にあります。それまでは何とか持ちこたえるつもりです。
  • 視聴者からの質問はQ&Aからですが、挙手時にはホストがカメラと音声の権利を付与するつもりです。理想は以前に関西であった「UCG談話会」のようなワイワイ・ガヤガヤした雰囲気です。

松下記念病院 川崎達也)

2026-06-15

カラヴァッジョの「聖アンデレの磔刑」

  • 先日、インディアナ大学医学部循環器内科のダニエル・M・ ゲルフマン先生のよる面白いエッセイ(?)を眼にしました(Am J Med. 2026 Jul;139(7):838-839)。タイトルは"When looking for treatable diseases, don't forget the jugular veins”です(邦訳:治療可能な疾患を探す際には、頸静脈を忘れないでください)。内頚静脈と外頚静脈が明確に区別されていない点は気になりますが、頚静脈ネタが一流誌に掲載されていることをとても嬉しく思います。

先日、クリーブランド美術館で、著名な美術史家によるプレゼンテーションの一環として、カラヴァッジョの「聖アンデレの磔刑」(1606-7年)を鑑賞しました。この絵画について議論された際、聖アンデレの右側に立っている女性には大きな甲状腺腫があると説明されました。首の下部に大きな腫れがあるため、これは私にとって驚きではありませんでした。しかし、心臓専門医である私は、甲状腺腫と思われるものを見る前に、鎖骨よりかなり高い位置まで異常に拡張した右外頸静脈に衝撃を受けました(図1)。(鎖骨は右心房から約10cm上にあるため、これは直立した状態では正常ではありませんが、病的なものではない可能性があります。)その後、医学文献を調べていたところ…以下省略(僅か428 words)

松下記念病院 川崎達也)

2026-05-14

M検(エムけん)

  • 先日、坂本二哉先生の新刊「戦慄の東大病院」を読んでいたら、M検という用語がでてきました。本文中の説明(パンツを下ろしておちんちんと睾丸を握ること)から意味は分かりましが、Mってなんだろうと思ったので調べてみました。

M検(エムけん)💦
  • 男性の生殖器露出検査を意味する俗語。Mは、サンスクリット語の男根を意味する「魔羅」に由来する「M」や英語の "Membrum"の頭文字に由来
  • 1871年春に大阪兵学寮で行われた日本で最初の徴兵検査が始まった。疾病や欠損があれば兵役に適さない者として除外を目的としたものである。
  • 全身脱衣で、鼠径部、睾丸、陰茎の目視と触診を行った。具体的には、包皮をめくり亀頭を露出し、臀部を開脚させ痔疾、痔瘻の有無を検査した。

松下記念病院 川崎達也)

2026-04-27

新アプリ:循環器フィジカル - 100本ノック -

  • 2025年4月から1年間にわたり循環器に関するフィジカルクイズを毎週X(旧Twitter:@PhysicalExamin1)で発信してきました(監修:循環器Physical Examination講習会).
  • こちらのページには2週分ずつまとめてアップしてきました(ココ).この計100問を簡単に復習できるように無料アプリにまとめました循環器フィジカル -100本ノック-
  • アプリ化にあたり福田先生に全問題をレビューいただきました(本当にありがとうございます🙏).成績に応じて格付けされ,100問をミスなく完遂したらマイスターに認定
  • マイスター到達時は,フィジカルの巨匠 坂本二哉先生の金言が表示されます(下図右下:ご本人の了解を得ております).練習モードや復習モードもあるのでご活用ください.


松下記念病院 川崎達也)

2026-03-30

座 vs 坐

  • 先日執筆した頚静脈のレビュー論文(日本語)で,出版社から「位」を「位」に統一していいかと連絡がありました.
  • 個人的に頚静脈「位」定性法の推奨者なので,頻回に使用してきた用語でしたが,意識したことはありませんでした.
  • 今回の自分の総説を見直してみると,一ヵ所だけ「位」になっていました(他の20ヵ所余りはすべて「位」でした)

  • Google Scholar 位=約22,400件,位=約14,600件
  • 循環器学用語集(第4版) 位=5件,位=ゼロ

  • Google Scholar 起呼吸=約1,220件,起呼吸=約1,510件
  • 循環器学用語集(第4版) 起呼吸=収載(orthopnea),起呼吸=未収載

📟 AIの解答:「座」と「坐」の違い(ChatGPT:装飾は投稿者が追加)
  • 「座」と「坐」はどちらも「すわる」という意味を持つ漢字ですが、現代日本語では使い分けがあります。「座」は現在の標準的な表記で、日常生活から公用文、学術文章まで広く用いられます。正座、座席、講座、星座など、多くの一般語や医学・教育分野の用語でも基本的に「座」が使われます。そのため、通常の文章を書く場合は「座」を選べば問題ありません。
  • 一方、「坐」は古い字体(異体字)で、漢文調や仏教用語などに限定的に残っている表記です。例えば「坐禅」や「結跏趺坐」のように、歴史的・宗教的背景を持つ言葉では慣用的に用いられますが、現代の一般的な日本語では使用頻度は高くありません。したがって、特別な理由がない限り、現代文では「座」を使うのが自然です。

松下記念病院 川崎達也)

2026-01-22

心拍出量のFick法



問題:心拍出量を測定する際,熱希釈法よりFick法が望ましい病態はどれか. 2つ選べ







判定


😐 解説:正解 d, e
  • 心拍出量の測定に関する問題である.心拍出量は酸素消費量を動脈血と混合静脈血の酸素含量差で除して求めるFick法と指示薬希釈法があり,後者ではSwan-Ganzカテーテルが開発されてからは冷水を指示薬とする熱希釈法が一般的に用いられている.
  • Fick法の原理は,肺での血液の酸素摂取速度と肺静脈と肺動脈の酸素含量差から肺血流量は決定され,定常状態では血液の酸素摂取速度と肺による室内空気からの酸素取り込み速度は等しくなることから,肺血流量=酸素消費量÷肺静脈と肺動脈の酸素含量差で求められる.心臓内短絡(シャント)がなければ肺血流量は体血流量に等しくなることから心拍出量も測定することになる.通常は混合静脈血として肺動脈血を用いるが,肺静脈血のサンプリングは困難なため左室あるいは動脈血で代用している.心臓内シャントがあった場合には混合静脈血として肺動脈血の代わりにシャント直前の心腔内でサンプリング行う必 要がある.
  • 熱希釈法は肺動脈内に先端を留置したカテーテル近位部(右房)のポートから冷たい生理食塩水を注入し,血液の温度変化をカテーテル先端のサーミスターで測定し,経時的な温度変化から肺血流量が計算される.Fick法と同様に心臓内シャントがなければ心拍出量を表すが,Fick法と比べて動脈穿刺を行っての血液サンプル採取が不要なことや速やかに結果がわかる利点がある.しかしながら,三尖弁逆流が存在すると注入した冷水がカテーテル先端のサーミスターに到達しにくくなるため温度が低下せずに心拍出量を過大評価することや,心臓内シャントが存在すると肺血流量と心拍出量が一致しなくなる.
  • よって,熱希釈法よりFick法での心拍出量測定が望ましいのは d.心房中隔欠損症と e.重症三尖弁閉鎖不全症の患者である.
  • a, c.心房細動や僧帽弁狭窄症があっても熱希釈法で心拍出量は測定可能である.
  • b. 肺動静脈瘻は心臓外短絡であり,奇異性塞栓症や脳膿瘍の原因にはなるが,熱希釈法による心拍出量の測定に支障はない.


松下記念病院 川崎)

2025-12-15

心音クイズ(Q13・Q14)

  • 持田製薬さんと作成している心音クイズのシーズン2 第三弾です(GROUP T inc.さんにも感謝 🙏 レイアウトも一新).今回は臨床現場でしばしばお目(耳?)にかかる2症例です.もっとも少しひねりを効かせた(聴かせた?)症例です 😉
  • 今後も3ヵ月毎に2症例ずつアップする予定です(次回は2026年2月の予定).無料なのでよろしければご覧ください(※Q3以降は初回のみ簡単な登録が必要).一緒に聴診学の楽しさと奥深さを共有できれば作成者としては嬉しい限りです 😁


松下記念病院 川崎達也)

2025-12-01

学習アプリの効果

  • 面白い論文が出版されたのPICO(ピコ)形式で共有します(Nurse Educ Pract 2025:89:104620

    1. P – 看護学生,モバイルアプリケーションを用いた心血管身体の学習効果
    2. I – ランダム化比較試験,42名をアプリ群、40名を対面指導群に割り当て
    3. C – 学生の学習効果,自己学習能力、知識、学習満足度を両群間で比較
    4. O – アプリ群でスキルパフォーマンスは有意に向上した.他は有意差なし

😌 独り言
  • アプリが身体所見の学習に有用であることは言を俟ちません.いつでも・どこでも・だれもが利用できるからです.しかしその効果のエビデンスは意外にも少ないような気がします.
  • アプリやWEBコンテンツの開発者の一人としてはこのような論文をとても嬉しく思います.投稿者も様々なコンテンツを公開しているのでよろしければご覧ください(松下ハート塾

松下記念病院 川崎達也)

2025-11-20

論文 🏆 NEJM

  • 当院で経験した症例がN Engl J Medに掲載されました
  • 意識障害でER搬入された若者で甲状腺クリーゼでした
  • 甲状腺腫大と頚部のコリガン脈甲状腺雑音が特徴的
  • 動画や音声はコチラで確認できます(無料登録が必要)


🐔 独り言
  • 甲状腺クリーゼの身体所見は、いつか遭遇するだろうと長年待っていました。また本例は当初 EHJ - Case Reports に投稿する予定でした。でも投稿直前に「ダメもとでNEJMいってみるか」と送ったら――まさかの採択🎉準備と挑戦って大切。なお当院でのNEJM Images in Clinical Medicine の戦績は32投稿4採択です。本邦でトップクラスだったら嬉しいな…😉

👉「論文」の過去の投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2025-11-17

螺旋状毛 Corkscrew hair

  • 先日,コルクスクリュー(corkscrew hair)に関する報告を立て続けに眼にしました.きっとそのうちに循環器外来でも出会うと思うので(既に遭遇しているも気付かずスル〜?😥),ここにアップしておきます.

- 皮下出血で来院した若者 -

😎 解説
  • 左大腿後面に皮下出血あり(パネルA)
  • 四肢全体に毛包性紅斑あり(パネルB)
  • ダーモスコピーで螺旋状毛(パネルC)
  • 生検で表皮出血と毛包開口部の縮れ毛
  • 本症例の最終診断は壊血病(Scurvy)

😑 螺旋毛:深掘り
  • 壊血病の典型的な皮膚症状の一つで,ビタミンC欠乏症に起因するコラーゲン合成障害によって発生
  • 他の原因には頭部白癬(Tinea Capitis)や外胚葉異形成症候群(Ectodermal Dysplasia Syndromes)


松下記念病院 川崎達也)

2025-11-10

フィジカルクイズ(No. 29 & 30)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週末に循環器に関するフィジカルクイズをX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらのページには2週分ずつまとめてアップします.



👻「フィジカルクイズ」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2025-10-23

フィジカル忘備録

  • 先日,循環器 Physical Examination 研究会が主催するフィジカル合宿に参加してきました。身体所見のマイスターたちが興味深い症例を持ち寄って議論するというとても充実した2日間でした(夜の宴会も😉)。ディスカッションの中で耳にした巨匠達の貴重な言葉をここに記録しておきます。聞き違いがあればすいません。

  • 高心拍出状態での収縮期雑音はスクラッチ様(scratch murmur)
  • 甲状腺雑音はバセドウ病で出現するが破壊性甲状腺では通常なし
  • 破壊性甲状腺は症状で亜急性甲状腺炎と無痛性甲状腺炎へ大別可
  • 甲状腺中毒では雑音の有無で方針(破壊性へのメルカゾール回避)
  • 破壊性甲状腺炎ではサイログロブリンが病態と並行して増減する
  • 傍胸骨で右室拍動は心機図でRF有、左房拍動は収縮後期にピーク
  • シャイエ症候群(ムコ多糖症Ⅰ型の軽症)では沈着による弁膜症
  • 重症の僧帽弁逆流(MR)は頚動脈の立ち上がりが早く持続が短い
  • 重症MRでは駆出が早く済むから右脚ブロックがなくてもⅡ音分裂
  • 純粋なMRでは重症でもランブルは稀(狭窄が多少でもあると出る)
  • 4LSBで汎収縮期雑音でもTRとは言えない(MR雑音の伝播がある)
  • 急性肺血栓塞栓の肺高血圧は40-50mmHgまで(それ以上なら虚脱)
  • 一方、慢性やacute on chronicは70-80 mmHg以上可(例:CTEPH
  • 急性肺塞栓症で頚静脈陰性なのは発症時に体液量が多くないため?
  • 心室からの駆出流波形と開始が合致する心音は駆出音と考えられる

松下記念病院 川崎達也)

2025-10-09

無塩食

長年安定していた心不全例(座位)


🍟 現場実況
  • 通常は安静時も吸気時も頚静脈は陰性
  • 今回は安静時に鎖骨上窩で陥凹(矢印)
  • 深吸気保持で外頚静脈が怒張している
  • 内頚静脈の拍動の上縁も上昇(矢頭)
  • しかも拍動パターンは陥凹から隆起へ
  • 予定していた心エコー図には著変なし
  • 問い直すと自覚症状は悪化していたと

🍙 追加コメント
  • 安定していた心不全が悪化した原因を尋ねたら「継続していた無塩食を少し前に辞めた」ことを教えてくれました.
  • 無塩食は思っているよりも簡単なようです.自宅で無塩調理(食塩や醤油,味噌などの調味料を使用しない)だけ
  • 無塩食だから外食不可も古い考えだそうです.現在では無塩を依頼すれば多くのお店で対応してもらえるようです.
  • 無塩(かつ無糖)の食生活を20年以上も継続されている循環器内科専門医が霧島記念病院におられます(コチラ

松下記念病院 川崎達也)

2025-09-22

Cabot-Locke murmur カボット・ロック雑音

  • 概要 重症貧血患者に認めることがある拡張早期雑音(大動脈弁逆流症と異なり減衰しない)
  • 由来 米国の医師 Cabot RC と Locke EA の報告(Bull Johns Hopkins Hosp 1903;14:115-20
  • 性状 胸骨左縁で最も大きく聴取され貧血の改善に伴い消失(弁膜症がないことが前提条件)


😐 独り言
  • 貧血や甲状腺機能亢進症、発熱時には心拍出量の増加による機能性雑音が生じることはよく知られています。しかし基本的には収縮期の駆出性雑音で、Cabot-Locke murmurのような拡張期雑音は稀と思われます(金沢大学十全医学会雑誌 1964;70:338-53)。
  • カボット・ロック雑音の原因は不明だそうですが、興味があります。Dock's murmur(ドック雑音)と同様に実際の音や心音図も見つけるころができませんでした。日常臨床で貧血を経験することは稀ではないため、何とか記録できるように努力してみます。

松下記念病院 川崎達也)

2025-09-04

今週の一枚 🎯

松下ERランチ・カンファレンスの症例ですがフィジカルが関連するのでこちらにもアップしておきます
 
前日からの胸痛を訴える若者(突然発症で吸気時に増悪/気胸の既往歴あり)



松下記念病院 川崎達也)

2025-04-14

フィジカル検定

  • 第22回循環器Physical Examination講習会(2025.3.22-23)で実施した特別企画『フィジカル検定』の解答ホームをリンクします(主催者の許諾を取得済).
  • 実際の問題(身体所見)は供覧できませんが,解答フォームだけでも役立つかと思います(正答と簡単なフィードバックあり).よろしければご覧ください.



松下記念病院 川崎達也)

2025-03-31

第21回 循環器Physical Examination講習会より


循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.毎週情報発信をしているので,よければSNSでフォローしてみてください.


👻「フィジカル講習会」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2025-03-10

心不全と長母音(声)

  • 急性の非代償性心不全では発声も注目すべき身体所見の一つになるようです.肺うっ血などによる息切れに加えて,声帯浮腫などの影響があるようです.心不全症例に「あ~」と言ってみてくださいという日が来るのかもしれません(すでに実施されている施設が少なくなかったりして…😅)

🚨 臨床研究Appl Sci (Basel) 2023;13:1827
  • 急性心不全で入院した患者52人の会話を毎日記録
  • 音声と会話の特徴を同定し治療中との関連を調査
  • 治療後は治療前より安定(明瞭で速くて長い発声)


😀 独り言
  • 息切れの判定方法としてはリハビリ中のトークテスト(Talk test)が有名です.運動強度を推定する簡便な方法の一つで,快適に会話しながら行える運動強度はおおむね安全に実施できることがガイドラインにも記載されています. 
  • 昨年の心不全学会での講演で,「長母音を18秒出せれば5メッツ以上の運動耐容能」ということを耳にしました(論文を探し出せず).循環器診療では身体所見が大切ですが,音声に関してはまだこれからの領域かもしれません.

松下記念病院 川崎達也)

2025-02-06

頚静脈の座位定性法も無敵ではありません

鼠経ヘルニア術前に心電図異常を指摘された症例(座位)


  • 息切れなど心不全を示唆する症状はないが,BNP値は150 pg/ml程度に上昇していた.心エコー図には特記すべき異常所見はなし.
  • 心不全の有無を判定するため頚部を観察したが,大きな腫瘍に占拠されていた.橋本病による長い治療歴あり(現在はeuthyroid)
  • 心音でも心不全を示唆する所見(Ⅲ音やⅡ音肺動脈成分の亢進など)はなし.日常生活から判定した運動耐容能も保たれていた.
  • 胸部圧迫感の自覚はなく,冠危険因子も高血圧のみ.最終的に手術に支障はないと判断して,紹介元の外科医に返書を作成した.
  • 稀ながら頚静脈の座位定性法が困難が状況がある.甲状腺疾患による甲状腺腫肥満猪首,座位姿勢の困難例などが相当する.

松下記念病院 川崎達也)

2025-01-13

😊 素敵な紹介状

息切れが増悪した慢性心不全例(座位)

💗 慢性心不全の増悪
  • 座位で通常呼吸時には頚部に拍動なし
  • よく見ると吸気時に鎖骨上窩に拍動?
  • 深吸気で拍動が安定して出現(矢印)
  • 拍動は陥凹 → 静脈性 → CVPは上昇 

 💓 臨床現場
  • 本例はかかりつけ医からの紹介状がとても素敵であった.「頚静脈の拍動が見えるのでSGLT2阻害薬を追加しました」と記載してあった.
  • 当院受診は薬剤追加の1週間後で,その間に患者さんも自覚症状がずいぶん楽になった様子.当時は通常呼吸時に拍動が明瞭だったと予想.
  • もっとも吸気負荷後にまだ拍動が観察できるので追加加療は必要.自験データでは安静時陽性と吸気後陽性の1年後事故率は同程度(論文

松下記念病院 川崎達也)