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ラベル 虚血性心疾患 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2026-08-31

循環器フィジカル - 100本ノック -


循環器領域の身体所見を学習するために作成された無料アプリ「循環器フィジカル -100本ノック-」の動画版です.2026年4月から循環器Physical Examination講習会の公式SNSに毎週金曜日にアップしています.こちらのコンテンツにも2週分ずつまとめてアップします.

👻「フィジカルノック」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2026-08-24

心音クイズ:Q3

心音の無料ゲーム「心音マイスター」より


💫 解説
  • 上記の心音は聴診器のベル(小さい方)で聴こえた音で、S1周囲に過剰音があります。
  • 聴診器の膜(大きい方)では聴こえなかったので(=低調音)、Ⅳ音と診断できます。

😎 S4について
  • 低調成分が主体の心音で、ベルを心尖部に軽く当てると聴取できますが、ベルを強く押し当てたり、膜では聴取できません。
  • 機序は心房収縮時の血液流入(心エコーのA波)に伴う心室壁の振動と考えられています。よって心房細動では聴取しません。
  • S3と異なり聴診したら常に異常で、肥大型心筋症や虚血性心疾患など心室のコンプライアンスが低下する病態で出現します。

松下記念病院 川崎達也)

2026-06-18

心尖拍動:収縮後期バルジ(late systolic bulge)

心筋梗塞の既往がある症例

😋 解説
  • 臥位で明瞭な心尖の拍動あり
  • 拍動は左乳輪外側 → 心拡大
  • 隆起の長い抬起性 → 心肥大
  • 橈骨動脈の拍動から時相分析
  • 隆起は収縮の後期 → 心室瘤
  • 実際に心エコー図でその通り

💁 心尖拍動とは
  • 心尖拍動は,心臓の,特に左室機能を評価する大切な動きです.その定義は「the most lateral palpable ventricular movement or the most lateral cardiac impulse」,「the outward movement of the left ventricular apical region」で,一般的には,胸壁上に触れる最外側の拍動とされています.心尖拍動は左室心尖部の運動を反映し,主に左室の内圧と容積の変化によって形成されますが,その拍動の性質および記録した波形は,心外性要件,すなわち胸壁と心臓との結合(coupling)の状態に大きく影響されます(例:心膜,開心術後). 
  • 心尖拍動の評価ポイントは,①位置(normal position, lateral deviation),②広さ(narrow, wide),③性状(tapping, sustained)の3つで,そのなかでも性状が大切です.そして,心尖拍動を客観的に波形として記録し,その性状を示したものが心尖拍動図です.心尖拍動を測る際には,左半側臥位のほうが仰臥位よりも圧倒的に触知率が高く,また仰臥位と左半側臥位では波形および計測値が異なるため,記録体位は左半側臥位に統一したほうがよいでしょう.

引用)黒木 茂広先生の解説そのまま(medicina 2015;52:pp.762-3

松下記念病院 川崎)

2026-06-04

非典型的胸痛

労作とは関係ない胸痛を訴えて来院した高齢者

💀 解説
  • 左写真:耳垂に皺あり(フランク徴候が陽性)
  • 右写真:「胸部症状はどこですか?」の質問後
  • 手掌で心臓のあたりを指すパームサイン陽性
  • 緊急カテで左回旋枝に高度狭窄を認めPCI施行

💫 臨床裏話
  • 本症例は他院で肥大型心筋症として長年フォローされていた方でした.来院時の心電図では著明な左室肥大を認めました(ST上昇はなし).心エコー図では不均一な左室肥大がありましたが,明らかな壁運動異常はないと判断.高感度トロポニンも陰性
  • 非発作時には心電図のST低下が少しだけ改善しました.しかし派手な左室肥大を呈する肥大型心筋症例では,後負荷や前負荷,心拍数の変化でST-T部分が変わることは稀ではありません.我々もこの時点では積極的に冠動脈疾患を疑っていませんでした.
  • 一旦,入院で経過観察しつつ,かかりつけ医からの情報提供を待つことにしました.しかし,その後も断続的に5-10分持続する胸部症状が出現しました.フランクサインとパームサイン(いずれも虚血性心疾患と関連)もありCAGに踏み切りました.

松下記念病院 川崎達也)

2025-09-18

Dock's murmur ドック雑音

  • 概要 左前下行枝に高度の狭窄がある場合に生じる拡張期雑音(特に拡張早期と拡張後期)
  • 由来 アメリカの心臓専門医 William Dock (1898-1990) の初報(Am J Med 1967;42:617-9
  • 性状 第三肋間で胸骨中央から4cm左側に限局して座位時に心音図で記録することができる


- 音響分析結果と対応する血管造影 -

😉 呟き
  • 当院では虚血性心疾患でも多くの心音図を記録してきましたが、Dock's murmurを思わせる不思議な雑音(拡張早期と拡張後期にアクセント)を経験したことはありません。これは方法論の問題?(座位かつ特殊な部位での記録が必要)
  • ウェブ上にきれいな音ファイルあるいは心音図のアップはないようです。個人的にも興味があるので、なんとか記録できるよう挑戦してみます。心音図でなければ記録できないという記載も見かけますが…記録されるなら聴取できるのでは⁉

松下記念病院 川崎達也)

2025-04-17

今週の一枚 🎯

大動脈瘤を指摘された男性



松下記念病院 川崎)

2025-03-27

負荷の組み合わせ

心筋梗塞後の症例(座位)

🐔 解説
  • 安静では頚部に明らかな拍動なし
  • 吸気保持で拍動が出現?(矢印)
  • 吸気を保持したまま座位➜立位へ
  • 微妙な頚部の拍動は完全に消失!

    🐙 コメント
  • 本例は治療によってHFrEFからHFpEFに改善したHFrecEF症例です.深吸気保持(前負荷増加)で拍動が出現しているなら,中心静脈圧(≒右房圧)は軽度~中等度に上昇していると考えられます.しかし座位から立位への体位変換(前負荷減少)では中心静脈圧は低下しています. 実際に本例はテニスを楽しんでいます.
  • 吸気負荷などで頚静脈拍動が出現しても,立位で消失する症例は日常生活に支障が少ないと思います(自験例).逆に立位になっても拍動が持続する症例は,労作時の息切れが問題になることが多いようです(自験例).さまざまな負荷が可能なシンプル頚静脈©は,心不全管理管理で無限の可能性を秘めているかも...😁

松下記念病院 川崎達也)

2025-03-20

医療は人文学

陳旧性心筋梗塞の既往がある症例(座位)

💦 現場実況
  • 患者さんは特に体調変化はないと言う
  • 今日は頚を確認しにくい服を着ている
  • 安静座位で明らかな頚部の拍動はない
  • しかし深吸気の保持で拍動出現(矢印)
  • BNPは200台から400台に増加していた

😐 独り言
  • 患者さんの主治医に対する心理には二通りある(と思う).一つは過剰に心配して体調の変化を伝えようとする姿勢.もう一つは逆に症状の悪化時にはなるだけ隠そうとする姿勢.
  • 本例は駆出率が低下したHFrEFであったが,心不全入院はなく,状態は長年安定した.しかし今日に限って頚部を確認しにくい(首元が締まった)シャツを着ている(と感じた).
  • 毎回,頚部を確認しその意義をご本人にも伝えていたことを考慮すると,なんとなく患者さんの心理が伝わってきた.心不全の悪化を主治医に悟られたくなかったのだろう
  • あえてシャツのボタンをはずしてもらうことはしなかった.症状に変わりはないと主張するが,心不全が悪化している可能性をそっと伝えた.減塩指導と早めの再診を指示した.

松下記念病院 川崎達也)

2024-02-29

今週の一枚 🎯

昨夜からの胸痛でERに搬入された症例

👂 解説
  • 座位で右耳垂に45度の皺あり(フランク徴候
  • 耳垂の皺は二本あり(double earlobe crease
  • よくみると外耳道の毛(ear-canal hair)あり
  • 心電図にはST変化なし(後壁誘導 V7-9 含む)
  • 心エコー図では下壁に軽度の壁運動低下あり
  • 緊急CAGで回旋枝(#13)に99%の狭窄を確認
  • 引き続きPCIで治療(治療中もST-T変化なし)

👀 フランク徴候あれこれ
  • 45度の耳垂皺(フランク徴候/Frank's sign)が冠動脈疾患と関連することはメタ解析でも確認されています(Int J Cardiol 2014;175:171-5).
  • 本例のように外耳道毛が合併した耳垂皺例では冠動脈疾患の確率がより上昇するという報告もあり(Indian Heart J 1989;41:86-91 ➜ 典型自験例
  • しかし「座位皺 vs 臥位皺」や「片側皺 vs 両側皺」の差異はあまり検討されていません.本例のように同一側に複数本ある耳垂皺の追加意義も不明

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ松下ERランチ・カンファレンスの名物コーナー)

松下記念病院 川崎達也)

2024-02-08

頸静脈の陽性波:a波 vs v波

転居に伴い当科を紹介受診した症例(座位)

🐤 解説
  • 陽性波あり(矢印)➜ 動脈または静脈(a波 or v波)
  • この陽性波は吸気で消失している ➜ 動脈性ではない
  • 吸気で外頸静脈怒張(クスマウル徴候陽性)(矢頭)
  • 橈骨動脈の触診による時相判定で同波形をa波と診断
  • 本例は虚血性心疾患による慢性心不全状態であった

🐦 追加コメント
  • 頸静脈拍動が呼吸性に変化すれば動脈性よりも静脈性を考えます(過去の投稿:twitter).吸気で胸腔内圧は低下しますが,本例のようにクスマウル徴候が陽性になる症例では頸静脈拍動の所見はまず正常化しません(ほとんどの症例で悪化:過去の投稿).よって本例では視認するv波(ランチシ徴候,CV merger)はおおむね否定できると思います.
  • 座位でa波を視認するということは,心室コンプライアンスが相当低下していることを意味します(肥大型心筋症でも10%程度:過去の投稿).しかしこのa波が吸気で消失することを少なからず経験します.おまけ 🐧 クスマウル徴候を発見したドイツ人医師のAdolf Kussmaul(1822-1902)は1869年に金属管を用いて生きた人の胃内を世界で初めて観察

松下記念病院 川崎達也)

2024-01-01

急性MR vs 心雑音

  • 急性の大動脈弁逆流 AR では左室の拡張期圧が急速に上昇します.その結果,逆流が早期に終了するため,心雑音を認識することがますます難しくなります(自験例).実際に心エコー図でも逆流シグナルの検出が容易ではない症例があります(自験例).
  • 急性の僧帽弁逆流 MR でも同様の現象が推察されますが,ARは拡張期でMRは収縮期と根本的に異なります.以前経験した検索断裂による急性 MR の自験例ではとても大きな雑音でした(拡張期クリックもあり).そこでこの疑問の答えを確かめてみました 👶

🔎 Acute MR vs murmurs
  • 心筋梗塞を発症30日以内に心エコー図を行った773例の検討では,中等度または重度のMR患者の1/3は聴診で心雑音を認めなかった(Circulation 2005;111:295-301
  • 急性心筋梗塞時に乳頭筋断裂による重症の僧帽弁逆流を発症したにも関わらず,心雑音を呈さなかった2例報告(Ann Thorac Surg 1991;52:296-9
  • 急性MRで血行動態が著しく悪化した場合,収縮中期に左心室圧と左房圧が等しくなるため雑音は減弱あるいは消失しうる.重症の呼吸困難患者の救急状態で減弱した心雑音を認識することは困難である(Heart 2019;105:671-7
  • 心筋梗塞に伴う急性MR雑音の強さとMRの重症度には直接的な相関はない.心拍出量の低下した患者では収縮期のLVとLA間の圧勾配が低下するため雑音はソフトあるいは消失することもある(Journal of Acute Disease 2016;5:96-101
  • 急性MRでは収縮期早期の短い雑音のみで診断が臨床的に困難になる.これは非コンプライアントの左房で大きなv波が発生し,LAとLVの圧が収縮期で基本的に等しくなり収縮期初期以降に僧帽弁を横切る逆勾配がなくなるためである(European Society of Cardiology, E-Journal of Cardiology Practice - 2018;16

松下記念病院 川崎達也)

2023-12-21

動脈 vs 静脈:マイスターへの道

労作時の息切れで来院:拍動は動脈? 静脈??

👻 解説
  • 右頸部に周期性に隆起あり(左側も観察可能)
  • 一見,コリガン脈(動脈性拍動)に思われる
  • 吸気保持で外頸静脈の怒張が出現した(矢頭)
  • ARなどによる高心拍出状態で心不全の状態?
  • ただよくみると吸気で隆起上縁が上昇(矢印)
  • やはり拍動は静脈性で中心静脈圧は著明上昇
  • 最終診断は虚血性心疾患の非代償性左心不全

💚 マイスターへの道
  • 上記の動画をよく見ると,吸気負荷前からすでに吸気時の外頸静脈隆起を認めます(クスマウル徴候陽性).またVネックの上に開心術を思わせる手術創も確認できます(本例は冠動脈バイアス術後).さらに耳朶を確認すると45度の皺(フランク徴候)もあったので重症虚血性心疾患を予想しました(…と書きたいところですが実は耳は確認していません 😅 すいません).
  • 先日,日本不整脈心電学会が開催している心電図検定2023を初めて受けてきました.個人的には初期研修医と長年,心電図の勉強会(松下心電塾)を開催していることもあり,ある程度の知識は有していると思っていました.しかし試験対策では,12誘導心電図でここまで読めるのかと驚きの連続でした(忘備録).本ページでは心臓フィジカル・マイスターを目指してください.

松下記念病院 川崎達也)

2023-08-14

これもフィジカル:虚血顔 

  • 先日の研究会でフィジカルの匠から教えてもらった論文です。その師匠は「コロナリー顔」と言っていました😊
  • 先日報告された胸部X線から糖尿病予測(Nat Commun 2023;14:4039)など、AIの進歩はとても楽しみです

  • デジタルカメラ(2000万画素以上)による顔の正面像、60度像、頭頂像を撮影
  • ディープラーニングアルゴリズムによる冠動脈狭窄(50%以上)の検出能を検証
  • アルゴリズムは感度0.80、特異度0.54、AUC 0.730(95%信頼区間 0.699-0.761)
  • AUCはDiamond-ForresterモデルやCADコンソーシアム臨床スコアより高値(下図)


  • AIが用いた判定基準()は理解不能ですが、下図のように示されるとなるほどかもしれません。
  • 耳垂皺(earlobe crease、フランク徴候)が含まれていて一安心(外耳道毛はないようですが…😒)




松下記念病院 川崎達也)

2023-07-24

👴 歴史クイズ




松下記念病院 川崎達也)

2023-06-01

今週の一枚 🎯 耳毛

労作時の胸痛で来院した男性の両耳



松下記念病院 川崎達也)

2023-05-11

今週の一枚 🎯 フィジカルとは少し違いますが...😅

他科で加療中の担癌症例(胸痛なし)



松下記念病院 川崎達也)

2023-03-30

チラ見ならぬチラ耳

労作時の胸部圧迫感で来院した男性

😀 現場中継
  1. オープンクエスチョンで患者さんに胸の症状を表現してもらう
  2. 聴きつつ頸静脈確認 ➜ 座位陰性で非代償性心不全はなさそう
  3. 視線をそっと頸部から耳に移す ➜ 明瞭な外耳道毛の剃り跡😲
  4. 臥床で頸静脈に問題はないが耳垂に斜線(フランク徴候陽性)
  5. 虚血性心疾患の可能性大(ACSではない)➜ 早めのCAG選択


😊 臨床経過
  • 冠動脈造影では右冠動脈と左前下行枝の高度狭窄でした.ちなみに本例の心電図や採血,心エコー図には異常所見はありませんでした.
  • 狭心症の診断では問診がとても重要であることは今更述べるまでもありません.非発作時の基本検査には異常がないことが常だからです.
  • 患者さんの様々な情報から次の検査法(冠動脈CT・負荷シンチグラフィ・負荷心エコー図・冠動脈MRI・冠動脈造影)を選択します.
  • 個人的には外耳道毛や耳垂皺が診断にとても有効だとは思っていませんが,問診ついでに耳をチラ見(チラ耳 😅 勝手に命名)はお薦め
  • 本例は外耳道毛の成長がとても早く,数日毎に電気シェーバーでカットしている様です(鼻下〜顎の毛はあまり濃くありませんでした)
ちら耳
松下記念病院 川崎達也)

2022-12-26

タンジール病 Tangier disease

  • 先日,Twitterで印象的な咽頭所見を見かけました.一度見たら決して忘れない身体所見です.若年の狭心症で循環器内科を受診する可能性もあります.臨床現場でまだ経験したことはありませんが,将来困らないように調べてみました.
(そのツイッター/オリジナルはココ

🧡 タンジール病(Tangier disease)
  • HDLコレステロールとアポリポタンパクA-I濃度が著しい低値を示す常染色体劣性遺伝疾患
  • アメリカ東海岸のバージニア州タンジール島で初めて発見されたことから名付けられた病気
  • 原因はATP binding cassette transporter A1(ABCA1)の遺伝子異常で稀(日本で10家系程度)
  • HDL-Cが10mg/dL未満で,鑑別疾患にはLCAT欠損症や二次性低HDLコレステロール血症など
  • オレンジ色の咽頭扁桃腫大(上図)、肝脾腫、角膜混濁、末梢神経障害,若年性冠動脈疾患
  • 遺伝子治療などの根本的な治療はまだない(合併する動脈硬化性疾患の予防・治療が中心)

参考)難病情報センター タンジール病(指定難病261)


🉐 オレンジに関する過去の投稿 ➜ コチラ松下ERランチ・カンファレンスに移動)

松下記念病院 川崎達也)

2022-11-28

🏆 論文:ちょっとフィジカルとは違いますが…

🎉 当院の循環器内科で経験した症例が NEJM に掲載 🎉

  • ウェレンス症候群の1例ですがポイントは心カテ待機中にST上昇
  • 緊急カテーテル検査では前下行枝近位部の完全閉塞でした(下図)
  • 最近では高度狭窄よりも血栓が関与した病態と考えられています

😀 追加コメント
  • 命名はオランダの循環器内科医 Wellens らの報告に由来します(Am Heart J 1982;103:730-6).よって英語表記はWellen's syndromeではなくてWellens' syndromeあるいはWellens syndromeが正しいと思われます.しかしWellen's syndromeの誤記も散見されます(一流誌の実例:Circulation 2019;140:1851-2).
  • 日本語の発音ではェレンスと呼ばれることが多いと思います.でもオランダ語ではヴェレンスと濁ることを友人から教えてもらいました(例:).それ以降,当院でも研修医に濁音のェレンス症候群と教えていました.しかしNEJMのAudio Summaryではェレンスと濁っていないことを同じ友人から教えてもらいました.よって最近は再度ェレンスと指導しています.
  • 本論文は今年の2月に投稿して4月に修正の返事がありました.たった150語なのに文言の修正を計3回,図の修正を計3回(解像度など)も指示されました.8月に採択の連絡があり9月に掲載です.当院の戦績(NEJMイメージ論文)は25戦して3勝22敗で採択率🏆12%です.大学病院や有名病院でないわりには善戦かも...😅

💁 論文の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2022-11-17

耳:変幻自在

胸痛症例(仰臥位)


🚑 現場実況
  1. ERで看護師さんが心電図を記録中 ➜ 問診しながら素早く頸部と耳をチェック
  2. 頸静脈から中心静脈圧の上昇を示唆する所見なし ➜ 非代償性心不全は否定的
  3. 両側に耳垂皺を確認(念のため左側はマスクを外す) ➜ 虚血性心疾患の疑い
  4. 心電図はST上昇 ➜ 急性心筋梗塞と診断 ➜ 緊急カテーテルで閉塞部位を治療

😎 変幻自在
  • PCIが成功してカテ台の上にいる患者さんに説明時に耳をチラ見すると皺は消失
  • 「そんなアホな...」と思いマスクを外すと皺が出現(ただし左側のみで右側なし)
  • 耳垂皺は体位で変化するが(過去の投稿),暫く臥床で耳垂浮腫(特にマスク時)?

松下記念病院 川崎)