肥大型心筋症の頸静脈a波
🔍 a波の復習
-
頸静脈波は3つの陽性波(a,c,v)と2つの陰性波(x,y)で構成(復習)
- a波は心電図のP波直後(QRS直前)に出現する陽性波で右房の収縮を反映
- 診断は陽性波の視診+時相を触診(動脈拍動前)や聴診(Ⅰ音直前)で確定
-
a波は通常では不明瞭:頸静脈は陥凹として視認されることが多い(特にx谷)
-
大きなa波は完全房室ブロックや心室期外収縮などで有名(Cannon a wave)
-
三尖弁狭窄でも認めるが,日常臨床では肥大型心筋症が最多(下図:典型例)
👶
独り言
-
肥大型心筋症で認めるa波は,右室への流入障害(コンプライアンス低下)を反映していると予想されます.ただしこの機序には,必ずしも右室肥大を伴う必要がないことに要注意です.左室の肥大が心室中隔を介して右室の拡張能にも影響していると考えられるためです(ベルンハイム効果)
-
日常外来には,検診で心電図の左室肥大を指摘されて受診される方が少なくありません.無症状で血圧も正常なら是非,臥位で頸静脈のa波を探してみてください.肥大型心筋症をフィジカルで診断して,心エコー図で確認するスタイルは十分に可能です(たま?に失敗しますが
😅 実例)
0 件のコメント:
コメントを投稿