このブログを検索

2022-04-28

番外編

人名が冠された身体所見3つとは?



松下記念病院 川崎達也)

2022-04-25

心尖拍動:仰臥位 vs 左半側臥位 vs 座位

突然の動悸で来院した症例

😀 解説
  • 仰臥位では心尖拍動を認めないが,左半側臥位では視認可能(一つ目の矢印)
  • 拍動が不規則で心房細動の疑い(左半側臥位では心拡大の有無の判定は困難)
  • 座位でも心尖拍動は明瞭(二つ目の矢印)で,心拡大なしと判断(乳輪内側)
  • 頻脈であり抬起性か否かの視覚的判断は難しいが,触診ではチカラ強い隆起
  • 最終診断は心尖部肥大型心筋症例に合併した発作性の頻脈性心房細動でした

😎 独り言
  • 心尖拍動の評価は伝統的に仰臥位で行われますが,検出率が低いため左半側臥位を併用することが常です(過去の投稿).しかし臨床現場では座位で心尖拍動を評価することが少なくありません(過去の投稿例).
  • 座位での評価は何と言っても簡便で,起座呼吸を呈している症例などにも適応できます.座位での頸静脈評価(簡易定性法)が普及してきたように,座位での心尖拍動評価がもっと普及することを期待しています.


松下記念病院 川崎達也)

2022-04-21

収縮性心膜炎の重症度判定

腹部膨満感を訴える大動脈弁置換術後の症例


👄 解説
  • 本例は座位で自然呼吸時と深吸気負荷時のいずれにも頸静脈拍動なし
  • しかし臥位では外頸静脈の拍動を視認可能(内頸静脈はやはり不明瞭)
  • 急峻y下行(フリードライヒ徴候)と深吸気時怒張(クスマウル徴候)
  • 本例は最終的に収縮性心内膜炎と診断されたが利尿薬のみで症状改善

👅 独り言
  • 身体所見と心エコー図は良きライバルです.前者は””の評価に優れ,後者は””の描出が得意です.よって「フィジカルと心エコー図が手を組めば鬼に金棒
  • 日々の臨床では基礎疾患の診断だけでなく,その重症度まで判定する必要があります.大動脈弁狭窄症ではやはり心エコー図に分がありそうです(過去の投稿
  • しかし心不全の診断と重症度判定ではフィジカルが勝っています.収縮性心膜炎においてはフィジカルの圧勝と思います 😊 自験例:重症,中等症=本例,軽症
個人的に感じている収縮性心膜炎のフィジカル重症度

座 位 臥 位
フリードライヒ徴候 クスマウル徴候 フリードライヒ徴候 クスマウル徴候
重症 ⭕️ ⭕️ - -
中等症 ✖️ ✖️ ⭕️ ⭕️
軽症 ✖️ ✖️ 呼気時 ✖️
吸気時 ⭕️
⭕️

👿「収縮性心膜炎」の過去の投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2022-04-18

👴 歴史クイズ

(Public Domain)



松下記念病院 川崎達也)

2022-04-14

クスマウル徴候:陰性? 陽性?

慢性心不全の増悪で来院した症例

🐤 解説
  • 座位で外頸静脈を明瞭に視認できる.呼吸性変動(吸気時に虚脱)があるため中心静脈圧の判定に利用可能(外頸静脈は内頸静脈と異なり逆流防止弁の効果が強いため,呼吸性変動がない場合はあまり信用できない).
  • 外頸静脈は呼気時には怒張しているが,吸気時には虚脱するためクスマウル徴候(Kussmaul's sign)は陰性と判断.しかし深吸気保持(ビデオ後半)では外頸静脈の怒張が出現しているためクスマウル徴候は陽性?
  • 内頸静脈の拍動も鎖骨上窩(矢頭)で観察できるため,中心静脈圧は確実に上昇している.忘れがちな 前頸静脈(Anterior jugular vein:矢印)は吸気時に拍動が明瞭で,広義のクスマウル徴候陽性と考えられる.

🐥 独り言
  • ドイツの医師 アドルフ・クスマウル が発見したこの負荷法は,非常に奥が深いと思います.臨床現場では本例のように複雑な反応を示す例が散見されます.その詳細な原因は不明ですが,吸気時の胸腔内圧低下と静脈還流の増加にタイムラグがあるためかもしれません.肺の状態(例:肺葉切除後)などの影響を受けることもあるようです(自験例).個人的にはとても気に入っている負荷なので,あまり深く考えずにほぼ全例に行なっています 😊

松下記念病院 川崎達也)

2022-04-11

オスキー OSCE

  • Objective Structured Clinical Examination の略で邦名は 客観的臨床能力試験
  • スコットランドの Harden らによって開発(Br Med J 1975;1(5955):447-51
  • 教えた内容が実際に身についているか否かを判定するために用いられるテスト
  • 日本の医学部などでは臨床実習前に OSCE と CBT の2つに合格することが条件

循環器領域で求められる内容の例共用試験OSCE資料より)


松下記念病院 川崎達也)

2022-04-07

😳 ちょっとマニアックだけど…

ある慢性疾患で通院中の症例



松下記念病院 川崎達也)

2022-04-04

HCMとⅢ音

  • 肥大型心筋症の心音といえば巨大Ⅳ音ですが,Ⅲ音を聴診することも稀ではありません
  • 当院の検討では心不全徴候のないHCM 53例中13%にⅢ音あり(Circ J 2018;82:509-16
  • 本対象の肥大型心筋症では,Ⅲ音は心臓MRの遅延造影で判定した左室の線維化と関連

上段例はⅢ音があり(A)遅延造影あり(C)・下段例はⅢ音なく(D)遅延造影もなし(F) 

Ⅲ音は遅延造影と関連するがⅣ音は関連しない

👿「論文」の過去の投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)