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2021-12-30

👴 歴史クイズ




松下記念病院 川崎達也)

2021-12-27

🔥 脱水時の身体所見

所見 感度 特異度
腋窩の乾燥 50% 82%
口腔や鼻粘膜の乾燥 85% 58%
舌の皺 85% 58%
眼球陥没 62% 82%
(McGee S. Evidence-Based Physical DIagnosis. 2001)

👶 おまけ
  • 脱水指標として皮膚ツルゴールの低下やCRT(capillary refilling time/爪床血流充填時間)が有名
  • しかし高齢者では健常でもツルゴールの低下やCRTの延長を認めることがあるため注意が必要です


  • 中心静脈圧が正常でも臥床なら頸静脈拍動を観察できます(無料アプリ:ポケット・フィジカルの自験例).よって臥床(特に枕なし)で頸静脈拍動がなければ脱水を疑う必要があります.
  • しかし拍動が軽微な症例もあり,頸静脈所見は中心静脈圧の上昇時ほど力を発揮できません.そこで下肢挙上です.前負荷増大で頸静脈の拍動が出現すれば脱水であったことが示唆されます.
  • 頸静脈所見の変化は急速補液による輸液反応性として用いることも可能です. なお脱水なら血管内脱水(Volume depletion)と血管外脱水(dehydration)の鑑別もね(過去の投稿)😛

※ 以前に松下ERランチカンファレンスに投稿した内容の更新版です 🎶

松下記念病院 川崎達也)

2021-12-23

沈黙の臓器

息切れで受診した在宅酸素中のCOPD症例

💣 解説
  • 腹式呼吸+ビア樽状胸郭はCOPDに合致(ただしフーバー徴候はなし)
  • 右季肋部〜心窩部(付箋の貼り付け部)に拍動あり ➜ 肝拍動の疑い
  • 拍動のパターンは収縮期に隆起(付箋よりも腹壁の方が分かりやすい)
  • 肝拍動は基本的に頸静脈拍動に類似 ➜ 巨大V波(三尖弁逆流)の疑い
  • 最終的にCOPDによる肺性心に関連した重症の三尖弁逆流と診断した

  • 身体所見は「頸静脈 ➜ 傍胸骨 ➜ 心尖拍動 ➜ 心音」と進めることが多いと思います.よって循環器外来では腹部はついつい忘れがちです(😯僕だけ?)しかしお腹の診察(特に初診時)はとても大切です.これは腹部大動脈瘤を見つけるチャンスだからです(自験例).外来で長年フォローしてる心疾患の患者さんが,腹部動脈瘤の破裂で死亡する悲劇は主治医として何が何でも回避!
  • 実際に肝拍動が診断にとても有用だったケースはあまり経験しません(収縮性心膜炎の自験例).その他の身体所見(頸静脈や心音など)で診断できることが多いからかもしれません.しかしフィジカルを愛する医療従事者としては,肝臓のアピールには是非,気がついてやりたいものです.とてもおしゃべりな心臓(心音・心雑音=心臓語)と違って,肝臓は沈黙の臓器なのですから…

松下記念病院 川崎達也)

2021-12-20

心尖拍動:立ち位置は右 or 左?

労作時の息切れで来院した症例をベット右側から臥床で視診
(画面左側が患者頭側で,白タオルは乳房をカバーしている)

😗 解説
  • 接線方向で観察した心尖拍動が周期的に上方偏位
  • 心尖拍動は持続時間の長い抬起性 ➔ 心肥大の疑い
  • 拍動と胸骨正中は10cm以上離れている ➔ 心拡大
  • 心エコー図で弁膜症による遠心性肥大を確認した

🛏 独り言
  • 身体所見を臥床で評価するとき「ベットの右側から行うか左側から行うか」はちょっとした問題です.ただ心エコー図と同様にベットの右側からが主流派でしょうか?
  • 右側のメリットはなんといっても,右内頸静脈を観察しやすいことです.心尖拍動は逆サイドで少し遠くなりますが,接線方向の評価は意外に役立ちます(実例).
  • 一方,左側のメリットは何と言っても心尖拍動を目の前でくまなく観察できることです.本ページでアップしている心尖拍動の動画も多くが左側からの記録です.
  • 個人的にはまずベットの右側から身体所見を観察するようにしています.そして心尖拍動をより細かく観察したいときのみ患者さんに向きを変えてもらっています.

松下記念病院 川崎達也)

2021-12-16

👀 眼クイズ

労作と無関係の胸痛が主訴の中年男性



(投稿者 川崎)

2021-12-13

視覚は意外と頼りない?

拡張期の心雑音を指摘され来院した症例



松下記念病院 川崎達也)

2021-12-09

奇脈 Pulsus Paradoxus

  • 吸気時に収縮期血圧が10mmHg以上低下する病態(通常でも低下するが10mmHg未満である)
  • 機序:吸気 ➜ 右室への灌流増加による左室拡張制限+肺血管床拡大による左室への灌流減少
  • 心タンポナーデで有名だが,重症の肺塞栓COPD悪化緊張性気胸などでも出現することあり

実際の測定方法:スタンフォード大学(英語の勉強も兼ねて😳)


※ 以前に松下ERランチカンファレンスに投稿した内容の更新版です 🎶


松下記念病院 川崎達也)

2021-12-06

感心して感心される

冠動脈バイパス術後の慢性左心不全症例(端座位で呼吸調整なし)

💕 ただいま診察中
  • 左乳輪内側に周期的な陥凹あり ➜ 左室心尖の拍動で心拡大を積極的には疑わない
  • 心窩部の少し左にも周期的な陥凹があって吸気時により明瞭化 ➜ 右室拍動の疑い
  • 左乳輪内側の心尖拍動を見直すと呼吸性変動はない ➜ やはりこちらは左室を反映
  • スローモーション(0.2倍速)で左室心尖拍動に少し遅れて右室拍動が生じている

拍動の呼吸性変動として,吸気時の右心系への静脈還流増加が考えられます(リベロ・カルバイヨ徴候と同じ原理).しかし本例では吸気と拍動出現の時相がほぼ一致しているため,肺容積の増加に伴い右室がより胸壁に近づいているためと思います(リベロ・カルバイヨ徴候は吸気から少し遅れて出現).

左室心尖拍動に少し遅れる右室拍動は動画では分かりにくいかも知れません.しかし親指と人差し指を拍動部位に置けば,その拍動のズレは明瞭でした(触ってなんぼの法則).CRT(Cardiac Resynchronization Therapy=心臓再同期療法)でもVV delayの設定はLV firstとすることが少なくありません(過去の投稿).

このようなことを考えながら患者さんの胸壁を暫くの間じっと見つめていました.これらの所見に何か臨床的意義があるのかと問われると少し困りますが,身体所見は常に正直だな〜と感心します.(おまけ:1分ほど胸壁を凝視していたため,熱心な先生だなと患者さんに感心されました😅)

松下記念病院 川崎達也)

2021-12-02

mmHg 🔃 cmH2O

  • mmHg ➜ 血圧(体血圧),左室拡張末期圧,肺動脈圧などの単位 
  • cmH2O ➜ 身体所見での頸静脈圧の単位(正常参考値 4-8 cmH2O)
  • 脳脊髄液の単位もmmHgではなくcmH2Oを使用(正常参考値 5-18)
  • ただし厳密には水でないからmmCSFやcmCSFと表記されること有

両者の換算 🔃 1 mmHg = 1.36 cmH2O  あるいは 1 cmH2O = 0.74 mmHg
🙋 その理由はもちろん「銀の比重が水の比重より13.6倍大きいから」です

※ 以前に松下ERランチカンファレンスに投稿した内容の更新版です 🎶

松下記念病院 川崎達也)