他科で加療中の担癌症例(胸痛なし)
🚑 "マクロCK" の疑い
- MB分画が総CKの20%と上昇(通常は10%程度)
- 虚血性心疾患(ACS)としてのトロポニンは陰性
- 本例では心電図や心エコー図にも著変はなかった
- 狭心症の既往がありCAGを行ったが狭窄病変なし
😐 マクロCK
- 免疫グロブリンがCKに結合したタイプ1(電気泳動でMM分画とMB分画の間にextraband:下図)とミトコンドリア由来のCKポリマーであるタイプ2(電気泳動でMM分極の陰性側:つまりBB分画やMB分画の対側)に分類される.悪性新生物や慢性肝疾患,炎症性腸疾患に検出されるが,健常者でも認められることもある.
- マクロCK血症の症例では免疫阻害法(通常の臨床で用いられている測定法)でCK-MBの偽性高値を示すことが知られている.CK-MBが不自然に上昇している場合(目安は総CK値の20%~)にはマクロCKを念頭に置く必要がある.なおマクロCKの確定は電気泳動法によるアイソエンザイムの評価で可能(本例では未施行).
参考) CKアイソザイムアノマリー,他
👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(松下ERランチ・カンファレンスの名物コーナーです)
(松下記念病院
川崎達也)
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