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2025-02-27

🏆 論文

  • 初期研修医の西機先生が循環器内科で経験した症例がPubMedに収載
  • 左室中部閉塞の形態を呈したATTR心臓アミロイドーシスの一例です
  • 洞調律なのにⅣ音を欠き,OKサイン(Perfect O sign)も不可でした
  • 心アミでParadoxic Jet Flow(奇異性血流)を描出した世界初の報告

🎉 Paradoxic Jet Flow: PJF(奇異性血流)
  • 拡張早期に心尖部から心基部に向かう血流シグナルで,心尖部ポーチの存在の間接的な証拠です.当科は本所見にとても興味を持つ医師が複数名在籍して,今までにPJFに関連する世界初と思われる症例を報告してきました.
  • 例えばPJF雑音(Tex Heart Inst J 2018;45:102-5),運動誘発PJF(J Cardiol Cases 2021;23:170-2),右心系PJF(J Med Cases 2020;11:57-60)などです.とてもニッチな所見ですが,これからもこだわっていこうと思います.

松下記念病院 川崎達也)

2025-02-24

脱水とうっ血

大動脈弁位人工弁症例の息切れ(座位)

💦 解説
  • 頚部の皮膚は乾燥して張りがない
  • 安静時に頚部に拍動もある(矢印)
  • 吸気で拍動の明瞭化 ➜ 内頚静脈
  • 皮膚をつまむ ➜ ツルゴール低下

😐 追加コメント
  • 本例は視診で中心静脈圧上昇(心不全)と血管内脱水と診断できそう
  • BNP値は300台であったがご本人の息切れや倦怠感の訴えは強かった
  • もちろんこのような症例には安易な利尿薬追加や減塩指導は避けたい
  • 血圧が正常高値であったため降圧薬の強化と心臓リハビリを追加した

松下記念病院 川崎達也)

2025-02-20

😊 素敵な紹介 パート2

なんとなく元気がない慢性心不全例(座位)

💁 ランチシ徴候(三尖弁逆流)
  • 頚部の中央に明瞭な拍動(隆起)あり
  • 容易に圧迫されるため動脈でなく静脈
  • 心エコー図で高度の三尖弁逆流を確認
  • 推定される肺動脈収縮期圧は50 mmHg
  • 整脈かと思ったが心電図では心房細動
  • 最終的に心不全(PEF)の増悪と診断

 📧 共通言語「座位で頚静脈が見える」
  • 本例もかかりつけ医からの紹介がとても素敵であった(前回の素敵な紹介).「足に浮腫はないけど,首がピコピコしています」と...👍
  • 頚静脈の座位定性法が広がると,心不全の診断をより迅速に行うことができます.無料アプリ「シンプル頚静脈©」を是非ご活用ください
  • 病院やクリニック,救急隊,施設職員だけでなく,心不全患者さんやその家族にもこの表現が共通言語として広がることを願っています.

(無料画像から作成)

松下記念病院 川崎達也)

2025-02-17

第21回 循環器Physical Examination講習会より


循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.毎週情報発信をしているので,よければSNSでフォローしてみてください.


👻「フィジカル講習会」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2025-02-13

健常者の心機図

フリーの画像がなくて苦労されているとお聞きしたのでPPTで作成してみました(版権放棄😙ご自由にお使いください) 
  • 心電図
  • 心音図
  • 頚動脈波曲線
  • 頚静脈波曲線
  • 心尖拍動図


松下記念病院 川崎達也)

2025-02-10

心音クイズ(Q7・Q8)

  • 持田製薬さんと作成している心音クイズの第四弾です(GROUP T inc.さんにも感謝 🙏).今回はⅡ音肺動脈成分の亢進とⅢ音が共存した症例および重合奔馬調律から四部調律に変化した症例を取り上げました.5領域(2R, 2L, 3L, 4L, 心尖部)の心音と複数の心音図を提示しています.是非,心音の違い(変化)を聴き比べてみてください.
  • 今回でシーズン1(3ヵ月毎2症例計8例)が終了しました.そしてシーズン2も始まることが決定しました 😁 無料なのでよろしければご覧ください(※Q3以降は簡単な登録が必要).一緒に聴診学の楽しさと奥深さを共有できれば作成者としては嬉しい限りです .


松下記念病院 川崎達也)

2025-02-06

頚静脈の座位定性法も無敵ではありません

鼠経ヘルニア術前に心電図異常を指摘された症例(座位)


  • 息切れなど心不全を示唆する症状はないが,BNP値は150 pg/ml程度に上昇していた.心エコー図には特記すべき異常所見はなし.
  • 心不全の有無を判定するため頚部を観察したが,大きな腫瘍に占拠されていた.橋本病による長い治療歴あり(現在はeuthyroid)
  • 心音でも心不全を示唆する所見(Ⅲ音やⅡ音肺動脈成分の亢進など)はなし.日常生活から判定した運動耐容能も保たれていた.
  • 胸部圧迫感の自覚はなく,冠危険因子も高血圧のみ.最終的に手術に支障はないと判断して,紹介元の外科医に返書を作成した.
  • 稀ながら頚静脈の座位定性法が困難が状況がある.甲状腺疾患による甲状腺腫肥満猪首,座位姿勢の困難例などが相当する.

松下記念病院 川崎達也)

2025-02-03

第21回 循環器Physical Examination講習会より


循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です。「生きた physical examination」を体感・習得して、「感動できる」ものにしていきたいと思っています。毎週情報発信をしているので,よければSNSでフォローしてみてください.


👻「フィジカル講習会」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)