このブログを検索

2020-02-27

クスマウル徴候

難治性左心不全で入院した症例の頸静脈(60度座位で通常呼吸 ➜ 深呼吸)

☆ 解説
  • 通常呼吸時ですでに右鎖骨上に内頸静脈拍動を観察 ➜ 中心静脈圧の上昇を示唆
  • 深吸気時に内頸静脈の隆起が出現し呼気を再開後に消失 ➜ クスマウル徴候陽性
  • 本所見は右室充満圧の上昇を反映するが,左心不全のベルンハイム効果も要考慮
  • 収縮性心膜炎や右心不全で認めることが多いが本例の様に重症左心不全でも出現
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination クスマール
松下記念病院 川崎達也)

2020-02-24

👴 歴史クイズ



フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2020-02-20

心不全の蹲踞負荷

心房細動と拡張不全による慢性左心不全でフォロー中の症例


😀 解説
  • 安静の座位では頸静脈の拍動はなし ➜ 蹲踞(スクワット姿勢)では拍動が明瞭
  • 拍動上縁は頸部の中央より高く不規則 ➜ 中心静脈圧の高度上昇かつ心房細動
  • 拍動は一峰性で陥凹パターン ➜ 心房細動でa波を欠きx谷は閉塞と予想される

😳 独り言
  • 心不全例で安静座位に頸静脈拍動を確認すれば利尿薬などの追加治療を考慮(実例).しかし視認しないから安心とは言い切れない.本例の様に蹲踞負荷で頸静脈拍動が誘発されることが少なくない.そういう症例では息切れなどの訴えなくても,BNP値が十分低下していないことが多いと思う.
  • 蹲踞は頸静脈に対するとても簡便な負荷で,患者さんと向かい合って一緒にしゃがむだけ.診察台に手を置くとしゃがみやすい.ただし高齢者では膝関節に問題を抱えている場合があるためできないこともある.安静座位だけでなく蹲踞負荷でも頸静脈拍動が視認できなければ心不全は安定していると判断したい.
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2020-02-17

眼クイズ

眼瞼浮腫と咳嗽から心不全が疑われ循環器内科を紹介受診した症例




フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2020-02-13

心尖拍動クイズ:A vs V

いずれも抬起性拍動:どっちがatrial kickでどっちがventricular kick?




フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2020-02-10

📣 心音クイズ:無症状の若者





松下記念病院 川崎達也)

2020-02-06

頸静脈:座位-前かがみ-蹲踞

  • 肥大型心筋症例の頸静脈(安静座位 ➜ 前かがみ ➜ 蹲踞)

😃 解説
  • 安静時には頸静脈の拍動は僅かにしか確認できない(おそらく呼気時に出現と予測)
  • 前かがみ(頭部前方位姿勢)では頸静脈拍動が少し明瞭に(ただ呼吸の影響はあり)
  • 蹲踞では頸静脈拍動がより明瞭になり(呼吸性変動なし)心音からa波と確認できた

🙇 おまけ
  • 前かがみになると頸静脈拍動が見やすくなることはこの患者さんから教えてもらいました.体調管理として自己検脈に加えて頸静脈拍動の自己確認を指導していた賜物でしょうか?正確な機序は不明ですが,胸腔内圧の上昇(まさしくbendopnea=前屈時呼吸困難症)+頭部の前方移動に伴い内頸静脈がより表在に近づくためと予想しています.
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)