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2026-01-29

今週の一枚 🎯

- 両側の趾痛を訴える高齢者 -

松下記念病院 川崎)

2025-12-15

心音クイズ(Q13・Q14)

  • 持田製薬さんと作成している心音クイズのシーズン2 第三弾です(GROUP T inc.さんにも感謝 🙏 レイアウトも一新).今回は臨床現場でしばしばお目(耳?)にかかる2症例です.もっとも少しひねりを効かせた(聴かせた?)症例です 😉
  • 今後も3ヵ月毎に2症例ずつアップする予定です(次回は2026年2月の予定).無料なのでよろしければご覧ください(※Q3以降は初回のみ簡単な登録が必要).一緒に聴診学の楽しさと奥深さを共有できれば作成者としては嬉しい限りです 😁


松下記念病院 川崎達也)

2025-09-25

Key-Hodgkin murmur キー・ホジキン雑音

  • 概要 梅毒による大動脈弁逆流で出現する拡張早期雑音(ノコギリで木を切るようなザラザラした音)
  • 由来 英国の医師 Key CA(1793-1849)と Hodgkin T(1798-1866)(Lond Med Gaz 1829;3:433-43
  • 鑑別 キー・ホジキン雑音は拡張早期漸減性雑音でオースティン・フリント雑音は拡張中期ランブル


😐 独り言
  • この音もCabot-Locke murmur(カボット・ロック雑音)と同様に、不思議な拡張早期の雑音です。原因は大動脈弁のretroversion(後方に曲がること)と報告されていますが、今から200年近くも昔の論文です(実物はココ)。梅毒による大動脈弁逆流(第3期:感染から数年〜数十年)が激減した現在となっては、実際に経験することはちょっと難しいかも…

松下記念病院 川崎達也)

2025-09-15

フィジカルクイズ(No. 21 & 22)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週末に循環器に関するフィジカルクイズを2題ずつX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらにも2週分ずつまとめてアップします.



👻「フィジカルクイズ」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2025-05-29

頚部で動脈拍動と静脈拍動を同時に視認すれば…part 2

息切れで来院した症例(座位)

👼 解説
  • 頚部全体が周期的に隆起(動脈 or 静脈)
  • 下部~上部がほぼ同時の隆起で動脈の疑い
  • 吸気で外頚静脈の怒張(膨隆+拍動なし)
  • クスマウル徴候陽性→右房圧の上昇の疑い
  • 最終的に中等度のARを伴う心不全と診断

👳 独り言
  • 先日,頚部で収縮期に動脈拍動(隆起=コリガン脈)と静脈拍動(陥凹=右房圧の上昇)を同時に視認した高心拍出性の心不全例を経験(ココ
  • 本例は少し違うパターンの動脈拍動と静脈拍動が併存した高心拍出性の心不全です.この2例は一週間ほど間に連続して当科を紹介受診しました.
  • 臨床現場では不思議と「このように稀な症例が続くんだ~」と感じることがあります.しかし実は今まで気づいてなかっただけかもしれません...😅

松下記念病院 川崎達也)

2025-05-19

腹部大動脈瘤による重複脈(Dicrotic Pulse)

  • 定義 大動脈瘤に関連し,1心周期中に2つの異なる脈波が発生した状態(収縮期上昇+低い重複切痕+顕著な拡張期上昇)
  • 機序 正常大動脈と大動脈瘤のインピーダンスの急激な変化により、瘤の近位端と遠位端の両方で脈波の反射が発生する
  • 成分 心収縮によって生成される前方脈波および大動脈瘤から反射された後方脈波との相互作用による異常な動脈圧波形
  • 病態 重複脈(または重拍脈)を示す他の病態には重症の心不全や心タンポナーデ、循環血液量減少、敗血症などがある

- 腹部大動脈瘤の66歳男性の術前(左)と術後(右)-


松下記念病院 川崎達也)

2025-04-17

今週の一枚 🎯

大動脈瘤を指摘された男性



松下記念病院 川崎)

2023-09-07

手抜きではありません 😤

倦怠感を訴える高齢男性(体位は座位)

😀 解説
  • 端座位で心尖拍動は左乳輪の左外側へ偏位 ➜ 心拡大の疑い
  • 心尖拍動は2肋間で観察でき長い隆起時間 ➜ 心肥大の疑い
  • 吸気保持で心尖拍動はより明瞭に(通常は吸気時に不明瞭)
  • 心エコー図で遠心性肥大あり ➜ 最終診断は慢性の左心不全

😑 自白
  • 最近は心不全が疑われる症例では,頸静脈評価はほとんど座位でのみ行っています.もちろん脱水を疑う症例では臥位で拍動消失を確認しますが...
  • 同様に心尖拍動も座位でのみ確認しています.もちろん肥大型心筋症が疑われる症例では臥位や左側臥位でダブルインパルスを探しにいきますが...
  • 実は腹部大動脈瘤を確認するための初診時の腹部触診も座位で済ませることが増えてきました.背中とお腹を両側の手掌で挟み込むようにして...
  • なんでも簡略化することが良いとは思っていません.しかし時間をかける身体所見の評価は必要な症例のみでいいのではと感じる今日この頃です

松下記念病院 川崎達也)

2022-08-29

マルファン症候群のMARFANS

📌 Marfan syndrome の特徴を表す下記病態の頭文字
  1. Mitral valve prolapse (medial necrosis of aorta) ➡️ 僧帽弁逸脱(大動脈の中膜壊死)
  2. Aortic aneurysm ➡️ 大動脈瘤
  3. Retinal detachment ➡️ 網膜剥離
  4. Fibrillin defect ➡️ フィブリリン欠損(フィブリリンは結合組織中の弾性線維の形成に不可欠な糖タンパク質)
  5. Arachnodactyly ➡️ クモ指症
  6. Negative Nitroprusside test ➡️ ニトロプルシド試験が陰性
  7. Subluxated lens ➡️ 水晶体亜脱臼

参考)@khaledalotibe1のTwitter 投稿

😅 おまけ
  • ニトロプルシドといえば血管拡張薬ですが,メルカプタン(チオール基)の検出試薬でもあるそうです.よってマルファン様体型を示すホモシスチン尿症を除外するため,ニトロプルシドテストが陰性であることを確認する必要があるようです.
  • そういえば国試的には,「マルファン症候群は常染色体優性遺伝で水晶体の上方脱臼」,一方「ホモシスチン尿症は常染色体劣性遺伝で水晶体の下方脱臼」というのを以前,初期研修医の先生から教えてもらったことがあります(以前の投稿

松下記念病院 川崎達也)

2022-07-07

お腹は吸気より呼気

心機能の評価目的で循環器内科を受診した症例

🐤 解説
  • 通常呼吸や吸気止めでは分かりにくいが呼気止めで臍周囲の上下運動(矢印)
  • 触診では動脈性の拍動で圧痛やスリルはなかった(聴診でも血管雑音はなし)
  • CTで腹部大動脈瘤を認めた(腎動脈下〜分岐部の紡錘型で最大短径は50mm)

🐣 独り言
  • 頸静脈では吸気負荷が大切で,呼気負荷の意義は乏しいと思われます(過去の投稿).一方,呼気負荷は聴診や心尖拍動(自験例)で役立ちます.腹部動脈瘤でも有用かもしれませんが,触診には完敗です(自験例).やはり”お腹は触るもの”です.
  • 腹部で拍動の視認または触知=腹部大動脈瘤ではありませんが,初診時には必ず一度はお腹を触っておくようにしています.「動脈瘤の破裂を回避することは外来担当医の責務です」と信頼している友人医師に教えてもらいました 😊


松下記念病院 川崎達也)

2021-12-23

沈黙の臓器

息切れで受診した在宅酸素中のCOPD症例

💣 解説
  • 腹式呼吸+ビア樽状胸郭はCOPDに合致(ただしフーバー徴候はなし)
  • 右季肋部〜心窩部(付箋の貼り付け部)に拍動あり ➜ 肝拍動の疑い
  • 拍動のパターンは収縮期に隆起(付箋よりも腹壁の方が分かりやすい)
  • 肝拍動は基本的に頸静脈拍動に類似 ➜ 巨大V波(三尖弁逆流)の疑い
  • 最終的にCOPDによる肺性心に関連した重症の三尖弁逆流と診断した

  • 身体所見は「頸静脈 ➜ 傍胸骨 ➜ 心尖拍動 ➜ 心音」と進めることが多いと思います.よって循環器外来では腹部はついつい忘れがちです(😯僕だけ?)しかしお腹の診察(特に初診時)はとても大切です.これは腹部大動脈瘤を見つけるチャンスだからです(自験例).外来で長年フォローしてる心疾患の患者さんが,腹部動脈瘤の破裂で死亡する悲劇は主治医として何が何でも回避!
  • 実際に肝拍動が診断にとても有用だったケースはあまり経験しません(収縮性心膜炎の自験例).その他の身体所見(頸静脈や心音など)で診断できることが多いからかもしれません.しかしフィジカルを愛する医療従事者としては,肝臓のアピールには是非,気がついてやりたいものです.とてもおしゃべりな心臓(心音・心雑音=心臓語)と違って,肝臓は沈黙の臓器なのですから…

松下記念病院 川崎達也)

2019-12-05

駆出音

  • 半月弁の開放音で大動脈二尖弁や大動脈弁逆流,大動脈瘤などで出現
  • Ⅰ音直後に出現する高調かつ鋭音で,Ⅳ音やⅠ音分裂との鑑別が必要



(Ⅰ音直後の赤矢印が駆出音/拡張期の逆流性雑音にも注目)


👶 おまけ
  • 本例は大動脈一尖弁による大動脈弁逆流と考えられた.大動脈弁疾患を示唆する雑音を聴取したら駆出音の有無を確認したい(大動脈二尖弁の頻度は全人口の約1%と少なくない)

🔊 関連投稿 (稀な過剰心編)
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2019-11-14

お腹を触る

  • 検診で心電図異常を指摘され循環器内科を受診した高齢者
  • 臥床で記録した腹部(自然呼吸下で左の白いタオルが尾側)

🐥 解説
  • 呼吸に伴う腹壁の上下運動と異なった規則正しい拍動がある(軽く指を添えると拍動はより明白)
  • 腹部CTで腎動脈下〜総腸骨分岐部に紡錘型の腹部大動脈瘤(外径の最大短径が70mm)を認めた

👶 呟き
  • 拍動=大動脈瘤ではない(特に痩せた女性)が,破裂すれば致命的になる疾患である.治療可能な病態であるため,破裂するまでに診断することが外来担当医の責務と考えられる.初診時は必ず,定期受診時にも時々はお腹を触っておきたい.
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)