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循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた
physical
examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
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2025年4月から毎週末に循環器に関するフィジカルクイズを2題ずつX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらにも2週分ずつまとめてアップします.
👻「フィジカルクイズ」の過去の投稿は
コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
長年安定していた心不全例(座位)
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現場実況
- 通常は安静時も吸気時も頚静脈は陰性
- 今回は安静時に鎖骨上窩で陥凹(矢印)
- 深吸気保持で外頚静脈が怒張している
- 内頚静脈の拍動の上縁も上昇(矢頭)
- しかも拍動パターンは陥凹から隆起へ
- 予定していた心エコー図には著変なし
- 問い直すと自覚症状は悪化していたと
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追加コメント
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安定していた心不全が悪化した原因を尋ねたら「継続していた無塩食を少し前に辞めた」ことを教えてくれました.
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無塩食は思っているよりも簡単なようです.自宅で無塩調理(食塩や醤油,味噌などの調味料を使用しない)だけ
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無塩食だから外食不可も古い考えだそうです.現在では無塩を依頼すれば多くのお店で対応してもらえるようです.
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無塩(かつ無糖)の食生活を20年以上も継続されている循環器内科専門医が霧島記念病院におられます(コチラ)
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持田製薬さんと作成している心音クイズのシーズン2 第二弾です(GROUP T inc.さんにも感謝
🙏).今回はちょっと珍しい右心系の心雑音を呈した2症例です.ココで経験しておけば実際の臨床現場で遭遇した時にも迷わずフィジカル診断?
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今後も3ヵ月毎に2症例ずつアップする予定です(次回は2025年11月の予定).無料なのでよろしければご覧ください(※Q3以降は初回のみ簡単な登録が必要).一緒に聴診学の楽しさと奥深さを共有できれば作成者としては嬉しい限りです
😁
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概要 高血圧(拡張期?)に関連した下肢の痛みを伴う難治性潰瘍
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原因 高血圧性下肢潰瘍、高血圧性潰瘍、壊死性血管性皮膚炎など
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由来 スペインの血管外科医 Martorell(Angiology 1950;1:133-140)
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症状 疼痛の強い単一または複数の病変(主に下腿前外側部に出現)
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疫学 高血圧のコントロール不良な中年(50~70歳)の女性に多い
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原因 内側動脈の小細動脈の閉塞により引き起こされる虚血性病変
- 鑑別 カルシフィラキシス、壊疽性膿皮症、塞栓症、末梢動脈疾患
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治療 Ca遮断薬やACE阻害剤、プロスタグランジンE(PGE1)など
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予後 他の病因による潰瘍より強い痛みを伴い治療への反応は不良