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2025-09-15

フィジカルクイズ(No. 21 & 22)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週末に循環器に関するフィジカルクイズを2題ずつX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらにも2週分ずつまとめてアップします.



👻「フィジカルクイズ」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2025-09-04

今週の一枚 🎯

松下ERランチ・カンファレンスの症例ですがフィジカルが関連するのでこちらにもアップしておきます
 
前日からの胸痛を訴える若者(突然発症で吸気時に増悪/気胸の既往歴あり)



松下記念病院 川崎達也)

2025-09-01

フィジカルクイズ(No. 19 & 20)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週金曜日に循環器に関するフィジカルクイズを2題ずつX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらにも2週分ずつまとめてアップします.



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松下記念病院 川崎達也)

2025-08-28

教育ビデオ 📺 収縮期逆流性雑音(Systolic regurgitant murmur)

僧帽弁逆流症(Mitral regurgitation: MR)の一例

🎶 解説
  • Ⅰ音とⅡ音の間にある心雑音なので収縮期雑音
  • 雑音の音量は漸増や漸減に欠く箱型(長方形)
  • Ⅰ音とⅡ音は心雑音に埋没するため認識が困難
  • 僧帽弁逆流,三尖弁逆流,心室中隔欠損の3疾患

🎵 コメント
  • フィジカルの巨匠からのアドバイス(過去の投稿)を元に作成した,心音図をなぞりながら音を聴く教育ビデオです(版権放棄かつ利用時の引用記載も不要)
  • 最初は「実際の心音と心音図上の線の動きをあわせるのが大変だな~」と思いましたが,パワーポイントを用いてやってみると意外に簡単に作成できました.

松下記念病院 川崎達也)

2025-08-21

教育ビデオ 📺 収縮期駆出性雑音(Systolic ejection murmur)

大動脈弁狭窄症(Aortic stenosis: AS)の一例

🎶 解説
  • Ⅰ音とⅡ音の間にある心雑音なので収縮期雑音
  • 雑音は漸増・漸減型(ダイアモンド型 or 菱形)
  • よってⅠ音とⅡ音を聴取できる(特にⅡ音!)
  • 例えば大動脈弁狭窄症やHCMの左室流出路狭窄

🎵 コメント
  • フィジカルの巨匠から以下のような内容のメールをいただきました.「講習会では心音図が心音と一緒に動画として提示される.でも聴衆はとてもそれを目で追えない.心音図をなぞりながら音を聴かせるという風にすればとても理解しやすい.」
  • 「心音図は必ずしも実物でなくて絵でもいいですよ」とも言われましたが,せっかくなので実物を使用してみました.本動画は教育用として作成したので,商業目的を除いてご自由にご活用ください(版権放棄かつ利用時の謝辞記載も不要です)

松下記念病院 川崎達也)

2025-08-14

Ⅳ音の深堀

心電図異常を指摘された無症候例

😎 解説
  • 漸増・漸減する収縮期の駆出性雑音あり
  • 前収縮期(拡張後期)に大きな過剰心音
  • 低調成分が主体であるためS4(赤四角)
  • 本例の最終診断は閉塞性肥大型心筋症

😛 追加コメント
  • 洞調律の肥大型心筋症では肥大部位にかかわらずS4を高頻度(約70%)に認める(Circ J  2023;87:1068-74)。
  • なおS4の生じる前提として、心室コンプライアンスの低下あるいは拡張末期圧の上昇に対する心房機能の亢進が必須
  • 増高した心室流入血流が硬い心室を振動させてS4が発生(Tavel ME. Year Book Medical Publishers;1971:44-63)
  • この振動はA波として触知でき(下図),抬起性拍動と合わせて二峰性心尖拍動(double apical impulse)と呼ばれる.
  • なお心房細動ではⅣ音(第4音)は記録されない.また洞調律であっても心房機能が低下すればS4は減弱~消失(


松下記念病院 川崎達也)

2025-08-11

Ⅲ音の深堀

息切れを主訴に受診した症例

😎 解説
  • 心尖部に拡張早期の大きな過剰音を認める
  • S2の約140ms後に出現する低調音(四角)
  • これらの特徴はS3(Ⅲ音/第3音)に合致
  • 本例は最終的に拡張型心筋症と診断された
😛 追加コメント
  • Ⅲ音の機序として,左室充満圧(≒左房圧)の上昇による左室急速流入速度の増大とその突然の停止が推察されている(Jpn Heart J 1976;17:150-62
  • その圧変化は心尖拍動図の急速流入(RF: rapid filling)波として触知することができる(下図参照:上図よりS3が小さいのは心尖に圧端子を置くため)
  • 本例では減弱したS1にも注目(通常は心尖部側でS1>S2).左室収縮力が低下すると左室圧の上昇が緩徐でS1が減弱(Am J Cardiol 1971;28:140-9


松下記念病院 川崎達也)

2025-07-17

MR=鎖骨放散・小

健診で心雑音を指摘された症例

😎 解説
  • 心尖部で収縮期雑音を聴取する
  • Ⅱ音(S2)不明瞭で逆流性雑音
  • 右鎖骨(上)では雑音は不明瞭
  • 心エコーで僧帽弁逆流を認めた
😛 追加コメント
  • 大動脈弁狭窄の収縮期駆出性雑音と異なり(自験例)、僧帽弁逆流の雑音は鎖骨にあまり放散しない。息止めをしない聴診では、呼吸音に埋もれて雑音を認識することが難しい。是非ASとの鑑別に利用したい。
  • MRでは逆流性雑音がⅡ音を超えるため、Ⅱ音の認識が困難になる。ただしこの原則は心尖部では当てはまるが、肺動脈弁領域ではあてにならない。その理由はⅡ音の肺動脈成分(2P)を聴取するためである。

松下記念病院 川崎達也)

2025-07-10

AS=鎖骨放散・大

健診で心雑音を指摘された症例

😎 解説
  • 心尖部で収縮期の雑音を聴取
  • Ⅱ音(S2)明瞭で駆出性雑音
  • 右鎖骨(上)でも雑音は明瞭
  • 心エコーで大動脈弁狭窄あり
😛 追加コメント
  • 大動脈弁狭窄の収縮期駆出性雑音は鎖骨や頚部に放散する(ことが多い)。頚部は呼吸止めをしないと聴診が難しいが、鎖骨では息止めは不要。呼吸音にかき消されない大きな雑音があればASが多い。
  • やり方は聴診器の膜部を鎖骨上にのせるだけ(左右どちらでもOK)。MR雑音では鎖骨への放散が小さいため(雑音が呼吸音に埋もれる)、両者の鑑別に役立つ。ちなみに本例では大きなⅣ音あり。

松下記念病院 川崎達也)

2025-07-07

フィジカルクイズ(No. 11 & 12)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
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松下記念病院 川崎達也)

2025-06-23

フィジカルクイズ(No. 9 & 10)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
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松下記念病院 川崎達也)

2025-06-16

心音クイズ(Q9・Q10)

  • 持田製薬さんと作成している心音クイズのシーズン2 第一弾です(GROUP T inc.さんにも感謝 🙏).今回は「怠けていると言われていた若者」と「検診で心雑音を指摘された無症候例」の2症例です.現場で役立つコツにも触れています.
  • 今後も3ヵ月毎に2症例ずつアップする予定です(次回は2025年8月の予定).無料なのでよろしければご覧ください(※Q3以降は初回のみ簡単な登録が必要).一緒に聴診学の楽しさと奥深さを共有できれば作成者としては嬉しい限りです 😁


松下記念病院 川崎達也)

2025-06-12

Ⅳ音消失し頚静脈出現

急に息遣いが荒くなった症例(座位)

😊 解説
  • 呼吸と嚥下に伴う頚部の動きが目立つ
  • 内頚静脈の拍動を判定することは困難
  • 吸気負荷後も内頚静脈はやはり難しい
  • しかし外頚静脈の拍動は明瞭(矢印)
  • 最終診断は心房細動による心不全悪化

💁 独り言
  • 本例の基礎疾患は肥大型心筋症でした.同疾患では左室コンプライアンスが低しているため,心房は常に過負荷状態です.左室への血液充満に対する心房の果たす役割が大きく,心房細動を生じたときのダメージは他の疾患より大と思われます.いわゆる「HCMでS4消失し頚静脈出現」というやつです.
  • 肥大型心筋症では洞調律にも関わらずⅣ音を認めない症例が少なからず存在します.このような症例では運動耐容能が低下し(当院の臨床研究),心血管事故も多い(当院の臨床研究)と思われます.でもⅣ音が明瞭でも油断は禁物です.心房に頼る血行動態が,細動で一気に破綻することがあります.

松下記念病院 川崎達也)

2025-06-09

フィジカルクイズ(No. 7 & 8)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
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松下記念病院 川崎達也)

2025-05-22

2PとS3の聴き比べ

倦怠感を自覚している症例

😎 解説
  • 第3肋間胸骨左縁(3L)でS2が明瞭に分裂している。健康な成人でもしばしば分裂するが(特に吸気時)、通常は前半(2A、大動脈弁成分)が後半(2P、肺動脈弁成分)よりも大きい。本例のように2Pが2Aよりも大きい場合、肺高血圧が示唆される。肺高血圧で2Pが亢進する機序は、収縮末期に肺動脈と右室間の圧較差が大きくなり肺動脈弁の閉鎖速度および閉鎖後の振動が増加するためと考えられている。本例では心尖部で大きなS3も認め、最終的に拡張型心筋症による左心不全と診断された。
😛 深堀
  • 2Pは高調成分が主体であるため、その聴取には特別な技術は要らない。エルプ領域(2L~3L)で聴診器の膜を用いて評価すればよい。しかし2Pが亢進していると判断するにはある程度の慣れが必要である(英語の疑問文のように上がり調子↗)。S3が鑑別に含まれるが、通常S3は心尖部に限局する低調音で聴診器の膜では聴取できない。また2PとS3は出現するタイミングも異なる(目安:2A-2P間隔は~70ms、2A-S3間隔は100~200ms)。2P亢進とS3が共存する本例で、その音感やタイミング、出現場所の違いを実感して欲しい。繰り返すが聴診のコツは耳で覚えること。お気に入りの曲のイントロと同じ😊

松下記念病院 川崎達也)

2025-05-15

ギャロップ → ギャロップ

呼吸困難感を訴える症例(来院時と治療2週間後)

😎 解説
  • 聴診器のベルを用いて心尖部で聴取される独特の音感に注目して欲しい。これは馬が駆けるリズムに似ることからギャロップ(gallop)と呼ばれ、非代償性心不全を示唆する。特に左側臥位で聴こえやすいが、呼吸困難感が強い時に臥床の体位は難しい。荒い呼吸時や騒がしい救急現場での認識は必ずしも容易ではないが、重症心不全を強く示唆するためその臨床的意義は高い。なお治療2週間後にもギャロップは消失していない。
😛 深堀
  • ギャロップを構成する過剰心音にはS3とS4があり、各々S3ギャロップ(心室性奔馬調)やS4ギャロップ(心房性奔馬調)と呼ばれている。S3とS4が重なる重合奔馬調律やS3とS4を同時に認める四部調律という病態もある。本例は来院時は重合奔馬調律で,2週間後は四部調律と考えられた。心不全の治療に伴い心拍数が低下して,重合奔馬調律が四部調律に変化することは臨床現場でしばしば経験される。

松下記念病院 川崎達也)

2025-05-12

フィジカルクイズ(No. 3 & 4)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
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松下記念病院 川崎達也)

2025-05-08

いつもと少し違う拡張期雑音

急に息切れを自覚するようになった症例

😎 解説
  • 拡張期雑音が急速に減弱して,Ⅰ音(S1)の手前で終了している点に注目.急性の大動脈弁逆流症では左室拡張期圧が急激に上昇するため,拡張期雑音が速やかに減弱して拡張早期~中期に終了する.
  • 一方,慢性の大動脈弁逆流症では,雑音が拡張末期(S1)まで持続する(自験例).本例は心エコー図で,右冠尖の逸脱(fenestration破綻の疑い)による急性の大動脈弁逆流(重症)と診断された.
😛 深堀
  • 慢性の大動脈弁逆流では高調成分が主体の穏やかな雑音であるが(自験例),本例のような急性の大動脈弁逆流では低調成分も加わるため荒々しい(harsh)音になることが少なくない.
  • 本例はエルプ領域(3L)で,雑音に埋没するⅡ音肺動脈成分の亢進が疑われた(下図).これは肺高血圧を反映していると思われる.こんなふうに細部にこだわった聴診は面白いと思う.

松下記念病院 川崎達也)

2025-05-01

深堀聴診

心雑音を指摘された症例

😎 解説
  • 拡張期すべてに持続する雑音(全拡張期雑音)を認める.本例のような雑音は灌水様あるいは吹鳴すいめい性(blowing)などと表現され,高調成分が主体である(心音図).
  • 急性の大動脈弁逆流では左室拡張期圧が急激に増加するため、逆流音が拡張中期あたりで終了してしまうことが多い.よって本例は慢性の大動脈弁逆流であると判断できる.
😛 深堀
  • 本例ではⅠ音(S1)が分裂しているように聞こえる.その一部は高調成分が主体であるため(心音図),駆出音が疑われた.駆出音は半月弁の開放により生じると考えられ,日常臨床では大動脈二尖弁で有名である(本例は一尖弁).心エコー図を行う前の聴診でこのようなことを考えると,心エコー図の結果をみるのがもっと楽しくなるかも...

松下記念病院 川崎達也)

2025-04-28

フィジカルクイズ(No. 1 & 2)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週金曜日に循環器に関するフィジカルクイズを2題ずつX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらにも2週分ずつまとめてアップします.



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