研究1(Am J Cardiol 1971;28:179-82)
研究2(Circulation 1975;51:324-7)
研究3(Circulation 1962;26:92-8)
- 大動脈弁狭窄症124例の検討では,重症(最大収縮期勾配≧75 mmHg)ならほとんどの場合Ⅳ音が存在する.一方,成人の大動脈弁狭窄症でⅣ音の存在は,40歳未満では重症を意味する.
研究2(Circulation 1975;51:324-7)
- 40歳以上の大動脈弁狭窄例では,S4ギャロップは重症(弁口面積≧0.75 cm2) の85%(65人中55人),中等症までの86%(7人中6人)であった.おそらく大動脈弁狭窄では聴診が不正確であるため,S4の有無はこの評価にはあまり役立たなかった.
研究3(Circulation 1962;26:92-8)
- 大動脈弁狭窄症患者46名では,第4音が検出される場合,通常は狭窄が重症(圧較差>70 mmHg,左心室収縮期圧>160 mmHg)と結論付けることができる.
👶 個人的な思い
- Ⅳ音を有する大動脈弁狭窄は,左室コンプライアンスがより低下しているため重症であることは理にかなっています.しかしさらに進行したステージでは左房が疲労してくるため,おそらくⅣ音は小さくなり最終的に心房細動に移行すると思います(肥大型心筋症でも同様の現象があると予想:当院の論文).
- 大動脈弁狭窄では大きな雑音のため過剰心音を聴診することが困難です(S1ですら難しい:音響隠蔽現象).そんな時は聴診よりも触診(心尖拍動のA波増高)が有用でしょうか(過去の投稿).もっとも下図の様な極小S4は心機図では検出できても,聴診や触診で認識できるとは到底思えませんが...😐
(松下記念病院
川崎達也)
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