消化器疾患の術前症例:端座位の左前胸部(通常呼吸)
    
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解説
  
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      左乳輪下に周期的な心尖拍動 ➜ 2肋間にわたるため心拡大(基準)
    
- 心尖拍動(本例は陥凹)の持続時間が長く抬起性 ➜ 心肥大もあり
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      よく見ると心尖とは独立した肋間の陥凹(矢印)➜
      フーバー徴候
    
- 本例の最終的な診断は陳旧性心筋梗塞+高血圧性心疾患+肺気腫
- 周術期リスクは低くないが十分に説明し同意を得た上で手術施行
  🐑 独り言
  
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      心尖拍動が収縮期の陥凹(systolic
      retraction)であったため収縮性心膜炎が一瞬頭をよぎりました.しかし頸静脈にフリードライヒ徴候やクスマウル徴候(典型的な自験例)はなく,ノック音も聴取したなかったため今回は冷静でした(前回の失敗)
    
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      COPDに心疾患が合併する場合,心尖拍動は収縮期陥凹が稀ではないかもしれません.肺が過拡張しているため陥凹として視認される方が理にかなっています.ただしCOPDでは心尖拍動は観察されない
      or 心窩部へ移動していることが基本です(※)
    
 
 
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