前日にERで喘息と診断された咳嗽症例
😈 解説
- 座位で右頸部に内頸静脈の拍動(陥凹)あり(凹矢印)
- 咳嗽が強いため吸気負荷の代わりに左上肢の挙上負荷
- 負荷後は頸部陥凹が(おそらく)隆起に変化(凸矢印)
- 心音で明瞭なギャロップを確認して急性心不全と診断
👾 コメント
- 深吸気止めで内頸静脈の陥凹が隆起に変化(ランチシ徴候)する症例は散見されます(自験例).本例の主訴は咳嗽であり呼吸負荷が難しいため(多くは咳き込む),代わりに左上肢負荷を行いました.もちろん肝頸静脈逆流(Hepatojugular reflux test)も施行可能ですが,臥床になるためやはり患者さんは咳き込んだと思います.
- 本例は前日の救急外来で喘息による咳嗽と診断されていました.重症喘息例の頸静脈拍動の代わりに陥没呼吸を認めることがあります(自験例).重症COPDでは下位肋間に内方陥凹(フーバー徴候)を認めます(自験例).もちろん肺疾患を合併した心不全症例もありますが(自験例),安易な咳喘息の診断は慎む必要があります.
👿 上肢挙上負荷の過去投稿 ➜ コチラ
(松下記念病院
川崎達也)
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