弁膜症で開心術の既往がある症例
😎 解説
- 座位で頸部の中央に周期的な陥凹(矢印)
- 陥凹=静脈なので頸動脈でなく内頸静脈
- 中心静脈圧はかなり上昇していると判断
- 座位→立位で拍動パターンの変化に注目
- 拍動上縁は低下して拍動自体も少し弱化
- 本例の労作時息切れは長年安定(自制内)
💙 つぶやき
- 座位から立位の体位変化で通常,血圧は低下して脈拍数は上昇します(J Health Sci 1993;15:155-9).もちろん心臓への静脈還流量は低下すると思われます.HR上昇による心負荷の増大を上回る前負荷(+後負荷?)低下のため,立位で右房圧が低下することは理にかなっています.
- 本例では利尿薬の追加などで容易に腎機能が悪化するため,座位での頸静脈拍動をなかなか陰転化することができていません.しかしご本人のQOLは案外保たれていて,心不全の増悪による入院加療も長年必要にはなっていません.立位で頸静脈拍動が改善しない症例には要注意!
(松下記念病院
川崎達也)
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