👀 所見
👴 老人環
- 老人環は環状の混濁と角膜輪部との間に幅0.3~1.0mm程度の透明帯があるのが特徴のようです(本例では微妙?).その本質はコレステロールやコレステロールエステル,リン脂質,中性脂質の細胞外角膜実質膠原線維間への沈着です.
- 通常40歳以降に出現し,最初は角膜の下方の位置に出現し,次いで上方,その後次第に融合して全周に及ぶという経過をとるそうです(本例は下方のみなので初期と推測).老人環は女性より男性に早期に出現し易く,40〜60歳男性の約60%,70〜80歳男性の約90%に見られます.
- 老人環による角膜混濁は進行しても角膜周辺部に留まり視力障害の原因となることはないため眼科学的には治療の必要性はないようです.加齢に伴い出現する白内障や加齢黄斑変性症と老人環との間に疫学的な関連もないようです.
(松下記念病院
川崎達也)
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