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2022-10-20

新しい頸静脈負荷法:上肢挙上

慢性左不全の症例:坂道で息切れあり

🍩 解説
  • 座位で鎖骨上に内頸静脈の拍動は視認できない(中心静脈圧の高度上昇なし)
  • 吸気負荷で二峰性の陥凹が出現(静脈圧は中等度上昇:目安は9-14cm水柱)
  • 吸気負荷の中止で拍動は消失するが,左上肢の挙上で拍動が再度出現(矢印)

😗 独り言
  • 慢性期心疾患の病態評価には負荷検査が必要です(例えば負荷心電図,負荷心エコー図,負荷シンチグラフィ).最近では心臓カテーテル検査中にも負荷を行なっています(冠血流予備能比FFRなど).
  • もちろん頸静脈評価にも負荷を適応できます(当院の研究:6分間歩行負荷吸気負荷).前負荷を増やす方法は多数ありますが(蹲踞姿勢や下肢挙上,肝圧迫など),本例のように上肢挙上も簡便です.
  • 個人的な経験からは左側のみの挙上がいいと思います.右側挙上あるいは両側挙上(前負荷が倍増)では,あたりまえですが右内頸静脈の視認(特に鎖骨上窩の僅かな陥凹出現の判定)が難しくなります.

松下記念病院 川崎達也)

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