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2024-10-03

偽クスマウル徴候②

脳神経内科に通院中の症例(以前と同一症例

😗 解説
  1. 安静時には頚静脈の拍動を座位で視認せず
  2. 吸気後での胸鎖乳突筋の萎縮に注目(矢印)
  3. その後は外頚静脈が視認可能である(矢頭)
  4. 本例はBNPと心エコーも正常で心不全なし
  5. 診断は筋強直性(筋緊張性)ジストロフィー

👥 偽クスマウル徴候
  • 胸鎖乳突筋が目立つことによる偽クスマウル徴候の症例は経験済みです(安静時吸気後).ただし筋肉は拍動しないのでその鑑別は容易と思われます.
  • 今回,胸鎖乳突筋が萎縮する病態でも偽クスマウル徴候が出現することを初めて知りました.こちらは実際の静脈なので拍動があり,触診でも静脈です.
  • 本例はクスマウル徴候が陽性から心不全(≠重症)と誤診される可能性があります.その意味でも筋萎縮による偽クスマウル徴候を覚えておきたいです.

松下記念病院 川崎)

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