肺性心による右心不全症例(在宅酸素中)
🐼 解説
- 座位で右側頸部に腫瘤あり(精査は未ですが長年変化がないようです)
- 腫瘍が周期性に拍動している ➜ 頸動脈の拍動を反映した腫瘍の拍動?
- よく見ると腫瘍上部の皮膚面が周期的に陥凹 ➜ 拍動は動脈でなく静脈
- 吸気保持で頸静脈に怒張の出現はない ➜ 狭義のクスマウル徴候は陰性
- 左側にも腫瘍あり,こちらは拍動していない(頸静脈陥凹は視認可能)
- 右側と異なり,左側の頸静脈拍動は吸気時に少し不明瞭になっている
🐶 独り言
- 右頸部を見て腫瘍があったので頸静脈評価を早々に諦めました.左側で評価しようと思い反対を見たら反対にも腫瘍があってビックリしました.しかしよく見ると右側で腫瘍が拍動していたため,見直して内頸静脈の陥凹に気がついた次第です.
- 内頸静脈の拍動が腫瘍を振動させていることにチョット驚きました.動脈拍動に比べて静脈拍動は弱々しいと勝手に思っていたことを反省 😑 もっとも左側の腫瘍は拍動していませんでした.おそらく腫瘍が後頭部よりに位置していたためと思います.
- 右側に比べて左側で,吸気時に内頸静脈の拍動が少し分かりにくくなりました.正確な機序は不明ですが,吸気保持で肺が過膨張して上大静脈と左内頸静脈の間に存在する2つの屈曲(解剖図はココ)が強くなったためと(勝手に)解釈しています.
(松下記念病院
川崎達也)
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