数日前から動悸が続く症例(体位は座位)
🐸 解説
- 座位で頸静脈は視認しないが吸気後には出現(矢印)
- 拍動はとても早い(まるでハチドリの羽ばたきの様)
- 最終診断は心房頻拍(2:1伝導)による心不全の増悪
- DCを予定したがジギタリス点滴で洞調律に回復した
🐝 独り言
- 頸静脈の早い拍動としては,房室結節回帰性頻拍(AVNRT)のフロッグサイン(frog sign)が有名です.フロッグサインの拍動は140回/分前後の周期ですが,本例は240回/分程度で一見静止している様にみえます(勝手に命名:ハチドリ徴候/Hummingbird sign).
- このハチドリサインは頻脈誘発性の非代償性心不全になれば,吸気負荷を行わなくても観察できる様になります(自験例).一方,フロッグサインは心不全を伴わなくても観察できることが多いと思います.心拍数がそれほど早くないので拍動自体が大きくなるためでしょうか...
- 進行性核上性麻痺(PSP)では中脳被蓋が萎縮するため,そのMRI像をハミングバード徴候と言うそうです(下図).頸静脈Hummingbird signの命名は,あまりにも素早い翼の羽ばたき(ホバリング中は約3,000回/分)からなので,厳密には被ってはいないと思いますが...😅
(松下記念病院
川崎達也)
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