- 循環器内科の本田先生が執筆されたケースレポートが出版されました
- 収縮期雑音を呈した動脈管開存(PDA)の一例です(連続雑音なし)
- 軽度肺高血圧のみでEisenmenger(アイゼンメンジャー)症候群なし
- 心エコー図では拡張期にも短絡シグナルが描出されますが雑音なし
🎉 PDA雑音
- PDA患者の典型的な雑音といえばもちろん(第2音で途切れることなく持続する)連続性雑音です。本例のような大動脈-肺動脈シャントに加えて、動静脈シャント(冠動脈動静脈瘻、右心室へのバルサルバ洞動脈瘤破裂など)や動脈および静脈の流れの変化(静脈雑音、乳腺雑音、甲状腺雑音など)があります。
- 肺高血圧を伴うと拡張期雑音が消失することは理にかなっています。ただし本例の肺高血圧は軽度でした(平均圧28 mmHg、1.4~2.1 WU)。本例では収縮期雑音のみを聴取かつ記録した正確な原因は不明ですが、貧血や肝硬変などの併存疾患が非典型的なPDA雑音に変化させたと考えるのが妥当でしょうか?
- Eisenmenger患者にみられるように、大動脈圧と肺動脈圧の平衡例では、雑音が完全に消失し無音性PDAになります(一部の症例では拡張期雑音のみ)。PDA雑音の性状は、肺動脈内のジェットの方向によっても変化するようです。本論文の考察ではこの辺りを(少し)深堀したので興味がある方はご覧ください。
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(松下記念病院
川崎達也)
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