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2025-10-30

誤診やむなし❓

増悪する息切れで来院した症例(座位)

😐 解説
  • 頚部に内頚静脈の拍動を認める(矢印)
  • 不規則なので心房細動 AF?(時折大?)
  • 安静で陽性なので吸気などの負荷は不要
  • 隆起性 ➜ v波なら重症三尖弁逆流 TR
  • その後の精査で予想通り非代償性心不全
  • ただしAFではなくて3度房室ブロック 😮

😓 独り言
  • 完全房室ブロックの頚静脈所見では間欠的に出現する巨大a波(キャノンa波)が有名です(自験例)。その機序は右房収縮時に三尖弁が閉鎖しているためです。よって期外収縮でも出現することがあります(自験例
  • 本例はもともと活動性が低いためか、房室ブロックによる立ち眩みやふらつきはなかったようです。しかし徐脈が暫く(1-2週間以上?)続き非代償性心不全に至り、床上でも症状が出現するようになって来院と予想
  • 本例の頚静脈拍動は陽性波なのでa波に加えv波も見えていると思われます(よって視診で徐脈を見抜くのは困難)。a波の大きさがQRSとのタイミングで変化し絶対不整に見えるので、AF+高度TRの誤診もやむなし?

松下記念病院 川崎達也)

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