アブレーション後に心タンポナーデになり心膜ドレナージを施行した症例
🐧 解説
- 本例は発作性心房細動を有したが,肥大を含めた他の器質的心疾患はなし.しかしドレナージ中はとても力強い心尖拍動を認めた(視診でも触診でも抬起性と言えると思う).カテーテル抜去後は,胸壁を介して心尖拍動を認識することはできなかった(半左側臥位を含む).心尖拍動の触知の可否は,肥大の程度や胸壁からの距離,性別(女性)に影響されることが報告されている(J Cardiol 2010;55:256-65)
😗 おまけ
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination- インターベンション中の合併症に対して緊急に挿入した心膜ドレナージ(ピッグテールカテーテル)の抜去時に,患者さんが疼痛を訴えることが少なくない.医師も引き抜き時にかなりの抵抗を感じることがある(本例ではいずれも著明).
- このような現象は悪性疾患などに伴い生じた心タンポナーデで挿入した心膜ドレナージでは稀である.その正確な機序は不明であるが,急性心膜炎の状態にある心膜刺激による疼痛と一部凝固した心嚢内血液による引き抜き抵抗が予想される.
(松下記念病院 川崎達也)
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