このブログを検索

2022-01-10

🐨 意外な疾患でした

🐤 臨床現場
  • 労作時の息切れで中年女性が循環器内科を受診されました.身体所見に特記すべき異常所見はありません(僕の評価ですが...😅).心電図やBNP値,心エコー図,冠動脈CTも正常でした.心肺運動負荷試験で運動耐容能や変時性応答不全の有無を調べようかな〜と考えていました.
  • その後に本例は重症筋無力症(Myasthenia gravis, MG)であることが判明しました.本ページで扱うフィジカルとはあまり関係がないかもしれませんが,循環器内科医が臨床で遭遇する病態です.重症筋無力症の症状は眼瞼下垂だけではないことを確認するため少しまとめてみました.

🔍 重症筋無力症のタイプ
  • 眼筋型(眼瞼下垂や複視)
  • 全身型(筋力低下,嚥下障害,嗄声,重症なら呼吸困難)

※約半数は眼筋症状のみで発症するが,その内半数以上は2年以内に全身型に進展する
特徴は持続運動で増悪(易疲労性)して安静で改善し,夕方以降に好発(日内変動)


😠 重症筋無力症具の具体的な症状
  1. 髪を洗ったり、ドライヤーで乾かしていると腕がだるくなりやすい
  2. 歯を磨いていると腕がだるくなりやすい
  3. 雑巾がけで腕がだるくなりやすい
  4. お盆で運んでいると、載せたものを前方に落としてしまう
  5. 手作業が長く続かず、休息しながら行っている
  6. 走っているうちに脚が動かなくなる
  7. 階段を続けてのぼれない
  8. 歌を歌っていると、鼻声になる
  9. 音読を続けるとろれつがまわらなくなる
  10. 硬い物を噛んでいるとあごが疲れてくる
  11. 飲み物を一気に飲もうとすると、むせたり、鼻に逆流する
  12. 午後の授業では、黒板の字がだぶって見える
  13. 帰宅時の運転の時にセンターラインが二重に見える
  14. 午後にまぶたが下がってくる


※ 以前に松下ERランチカンファレンスに投稿した内容の更新版です 🎶

松下記念病院 川崎達也)

0 件のコメント: