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2022-09-19

稀に左>右

息切れで来院した症例

🐤 解説
  • 安静座位の鎖骨上で内頸静脈の拍動を視認 ➜ 中心静脈圧の上昇
  • その拍動は右側より左側で明瞭(矢印)➜ 呼吸負荷後も左側優位
  • 呼吸音は清であるが心尖部でⅢ音あり ➜ 非代償性心不全と診断

🔗 ひとり言
  • 中心静脈圧の推定には,右房との直線的位置関係から右側の内頸静脈を使用します(解剖図).しかし稀に本例の様に,左側の拍動がより目立つ方がおられます.上記動画では左から光があたっているため右側は少し影になっていますが,それを差し引いても拍動は左側優位でした.
  • 頸静脈拍動が左側優位である経験を内臓逆位の症例で経験したことがあります(過去の投稿).また左上大静脈遺残でも同様の所見をきたす可能性があります.ちなみに本例ではいずれの所見もないと考えられました.

松下記念病院 川崎達也)

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