- 当院の循環器内科専攻医である野口先生が経験した症例が出版されました
- 近医で心雑音を指摘され紹介 ➜ 心エコー図で右室へ突出する瘤状構造物
- 収縮期に同構造物と右室壁が近接し,右室流出路はモザイク血流シグナル
- 明らかな短絡血流なし ➜ 最終的に未破裂の右バルサルバ洞動脈瘤と診断
- 弁膜症なく術後に雑音が消失 ➜ 未破裂の動脈瘤に起因した雑音と確定
- 論文には実際の音声ファイルがないのでYouTubeにアップ(ココです)
😀 考察
- PubMed検索で未破裂バルサルバ洞動脈瘤の報告が42例ありました.その診断契機は胸痛,息切れ,併存循環器疾患,房室ブロックの順に高頻度でした.心雑音を有した症例も2例報告されていましたが,いずれもバルサルバ洞動脈瘤とは異なる併存心疾患に起因した雑音です.本例は純粋に動脈瘤によって雑音を来した世界初の症例報告かも知れません.
- 本例は初診の家庭医の先生(専門は消化器内科)が雑音に気が付かれたため診断に至ることができました.素晴らしいことに,紹介状には「肺動脈領域の収縮期雑音の精査をお願いします」と記載されていました.先日,お会いした時にお話ししていたら,聴診は「ポケット心音」で勉強されてるとお伺いしました.まさに”アプリ開発者冥利”につきます😂
👉「論文」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(松下記念病院
川崎達也)
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