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2024-07-29

収縮性心膜炎

  • パワーポイントを用いて収縮性心膜炎の身体所見を自作しました
  • 背景透明のPNG形式で印刷時にも鮮明なよう画質は300 dpiです
  • 商業目的を除き配布は自由なのでよろしければご活用ください


😄 収縮性心膜炎の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2024-07-25

乳房雑音 Mammary Souffle

  • 妊娠中と産褥期の南アフリカのバントゥー系女性257人の15.3%に認めた
  • 妊娠第3期で13.3%、第2期で17.9%であった(妊娠第12週以前にはなし)
  • 動脈性の無害性雑音(大動脈と肋間 or 内乳腺動脈枝などの吻合部で発生)



圧迫で減弱(A:最初の矢印),解除で再出現(A:二つ目の矢印),30秒後に回復(B)


乳房雑音(Mammary Souffle)のサマリー

😎 おまけ
  • souffleとは吹くような音質の血管または心臓の雑音.元は仏語でスフレ(卵白を泡立ててふっくらと焼き上げた料理:例,チーズ・スフレ)
  • 他にfunic(funicular or fetal)souffle(胎児雑音)やumbilical souffle(臍帯雑音),uterine souffle(子宮雑音)などがあるようです

松下記念病院 川崎達也)

2024-07-22

第21回 循環器Physical Examination講習会より


循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です。「生きた physical examination」を体感・習得して、「感動できる」ものにしていきたいと思っています。毎週情報発信をしているので,よければSNSでフォローしてみてください.


👻「フィジカル講習会」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2024-07-18

コリガンのコツ

心電図異常を指摘され受診した症例

😋 解説
  1. 座位で上腕動脈に特記すべき所見なし
  2. 肘部の屈曲に伴い拍動が出現(矢印)
  3. 触診で動脈性の拍動であることを確認
  4. エコーで中等度~重症の大動脈弁逆流
  5. 本例で明らかな拡張期雑音はなかった

💁 ちょっとしたコツ?
  • ご存じのように水槌脈(Water-hammer pulse),反跳脈(Bounding pulse),コリガン脈(Corrigan pulse)などと呼ばれています.大脈(速脈)を反映する所見ですが,大動脈弁逆流以外で見かけることはあまりないと思います.
  • ただし動脈の蛇行(+表在化)で偽コリガン脈を呈する高齢者が少なくありません.本例の様に肘関節の屈曲で拍動が目立つ症例は本物が多い気がします(自験例1自験例2).一方,肘伸展で拍動が目立つ症例は偽が...(自験例

松下記念病院 川崎)

2024-07-15

心音:伝説の三冊

先日,医局の大先輩から「臨床心音図学」の第3版復刻版(1978年)を譲り受けました.これで以前から有していた2冊を加えて伝説の3冊がすべて揃いました(下図,敬称略).巨匠が到達された高みに少しでも触れることができれば望外の喜びです.
  1. レコードによる心臓の聴診 (南山堂:1960年)  監修:上田英雄,編集:海渡五郎, 坂本二哉
  2. 臨床心音図学(南山堂:初版1963年,第三版復刻版1978年)上田英雄,海渡五郎, 坂本二哉
  3. 心音図の手引き(日本医事新報社:初版1978年,第二版1981年)坂本二哉


😊 独り言
  • 持っているだけではだめです(もちろん).でも持っているだけで満足(かなり).ちなみに投稿者は Morton E. Tavel の Clinical Phonocardiography and External Pulse Recording(1967年)や Aubrey Leatham の Auscultation of the Heart and Phonocardiography(1970年)も持っています.私の師匠のそのまた師匠から頂きました.本当にありがとうございます🙇

松下記念病院 川崎達也)

2024-07-11

左優位 Lefty JVP

息切れと下腿浮腫の高齢女性(座位)

👿 解説
  • 頸部の左側に周期的な隆起あり(動脈?)
  • 深吸気で明瞭化+上縁上昇(静脈の疑い)
  • 触診で静脈性拍動を確認(心不全と診断)
  • 心エコー図で高度の三尖弁逆流TRを確認

💙 なぜ左?
  • 左側優位の内頚静脈の拍動は稀です.内臓逆位では左側優位ですが(自験例),聴診からは考えにくい病態でした.右内頚静脈の狭窄や左上大静脈の遺残では左側優位の拍動になりますが,いずれもCTで否定.原因不明の症例(微妙な静脈解剖に由来?)も経験あり(自験例1自験例2).
  • 本例はペースメーカ植込み後の症例でした.リードの影響で上大静脈から左内頚静脈への角度が浅くなっているのではと推測しました(下図).また液体(血液)が物体(リード)に引き寄せられるコアンダ効果の影響もあるのかもしれません.後に判明した心膜剥離術の既往も影響あり?


松下記念病院 川崎達也)

2024-07-08

第21回 循環器Physical Examination講習会より


循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です。「生きた physical examination」を体感・習得して、「感動できる」ものにしていきたいと思っています。毎週情報発信をしているので,よければSNSでフォローしてみてください.


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松下記念病院 川崎達也)

2024-07-04

頸静脈の立位負荷②

拡張型心筋症(CRTD)例が息切れで来院(座位)

🐤 解説
  • 座位で鎖骨上に周期的な陥凹(内頸静脈)
  • 中心静脈圧はかなり上昇していると判断
  • 座位→立位で拍動パターンの変化に注目
  • 拍動は一旦消失するもその後に再び出現
  • しかもパターンは陥凹ではなく隆起(→)
  • 症状も強く(血圧は低めも)利尿薬追加
🐥 追加コメント
  • 通常は,座位から立位の体位変化で頚静脈拍動パターンが改善します(陥凹→消失または隆起→陥凹など).この場合は労作時の息切れの訴えはあまり強くなく,日常生活はなんとか送れいていることが多いと思います(自験例).
  • しかし本例のように立位で改善が乏しい症例ではやはり辛そうです.本例はスピロノラクトン25 mgの追加で体重が3 kg低下して,座位で頚静脈拍動も消失しました(ただし吸気負荷後やトレッドミル負荷中は僅かに陽性)
  • 本例では長年,患者さん自身がいつも頚静脈を確認されています.自覚症状との関連も確かなので,担当医(投稿者)のみならず患者さんもとても信頼しているフィジカル所見です.毎回BNP値を確認する必要もありません.

松下記念病院 川崎達也)

2024-07-01

第21回 循環器Physical Examination講習会より


循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です。「生きた physical examination」を体感・習得して、「感動できる」ものにしていきたいと思っています。毎週情報発信をしているので,よければSNSでフォローしてみてください.


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松下記念病院 川崎達也)