心機能の評価目的で来院(座位)
👉 解説
- 座位で明瞭な心尖の拍動を認める(矢印)
- 持続時間の長い抬起性拍動で心肥大の疑い
- 拍動の最外側部は左乳輪外で心拡大の疑い
- 矢印の上下肋間にも拍動あり心拡大に合致
- 拍動は吸気で不明瞭化,呼気で明瞭化した
- 本例はLVEF 20%で遠心性心肥大を認めた
👍 現場実況
- 患者さんとの初診時の挨拶前,頚静脈に注目していたが拍動を視認しなった.「心不全であっても代償されているのかな~」と思っていた.実際にご本人も,「日常生活では息切れなどの自覚症状はない」と述べた.
- しかし(動画から分かるように)荒い息遣いが気になった.こういう場合は,日常生活を無意識に制限しているか,認知症を合併してることが多い(非代償性心不全でも自覚症状がないという認知症の自験例 → ココ)
- 本例には明らかな認知機能障害はないようなので,極めて狭い範囲での生活が予想された.心不全(HFrEF)に対するGDMT(guideline-directed medical therapy/診療ガイドラインに基づく標準的治療)を開始
- 本例の心尖拍動は吸気時に不明瞭化し,呼気時に(少し?)明瞭化している.これは呼吸に伴う胸郭容積の変化を考慮すれば納得いく変化.心尖拍動の評価時には,頚静脈と異なり呼吸負荷は不要(と思っています)
(松下記念病院
川崎達也)
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