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2023-05-01

フィジカル忘備録

先週に開催された『第20回 循環器 Physical Examination 講習会』より

  • 拍動しない外頸静脈は評価に用いない(首を回転させると変化もする)
  • 心尖拍動は指先全体,雑音のスリルは手掌遠位部,胸骨拍動は手掌近位部
  • 楽音用雑音は dove-coo や seagull cry でレバイン分類は4度以上が多い
  • 僧帽弁逆流では軽度なら高調音(blowing),重症なら低調音が加わる
  • 僧帽弁逆流でも音が小さいときにはⅠ音とⅡ音の聴取は可能である
  • YouTubeのフィジカル Stanford Medicine 25 はお薦め(例:AR)
  • MRは3分類:変性(MVP他),心室性(テザリング),心房性(弁輪部拡大)
  • 心房性MRでは左腋窩でⅢ音(S3)が聴取しやすい
  • Ⅰ音の規定因子は心収縮力・タイミング(弁の開放程度)・弁自体
  • S雑音(S murmur)は鎖骨下部~心尖部までS字状に伝播(過収縮で出現?)
  • 外傷部位や手術創の聴診を行うこと(シャントから高心拍出性心不全など)
  • 前尖の僧帽弁逸脱では背中や椎体で雑音を聴取する
  • 血液の比重は1.05
  • 息切れ+S3 ➜ 心不全(非代償性),胸痛+S4 ➜ ACS(急性冠症候群)
  • 「知りたいことはすべてオンラインにある」
  • Muehrcke line は爪下の浮腫なので爪の発育によって移動しない
  • Mees’ lineは爪自体の異常:爪の発育で移動して圧迫では消えない
  • 手掌・足底の皮疹はPHSと覚える:P 掌蹠膿疱症・H 手足口病・S 梅毒
  • 羽ばたき振戦は高CO2血症でも生じる
  • Lincoln singはARによる足の拍動(リンカーン大統領の写真で足のぶれ)
  • 拳骨テスト(Fist sign)は先端巨大症で手を握っても爪が隠れない(容積増大)
  • 胸部X線は側面像から見る(見逃しやすいところから始める)
  • 心房細動では頸静脈波のx谷が浅くなる
  • ADSの右脚ブロックは一次孔欠損なら左軸,二次孔欠損なら正常軸または右軸

聞き間違いがあるかも...😅スイマセン

💁 忘備録に関する過去投稿 ➜ コチラ

松下記念病院 川崎達也)

2023-05-29

フィジカル匠の特別講演より

  1. 通常の左心不全症例では右房圧(RAP)は左房圧(LAP)の凡そ半分,肺動脈楔入圧(PCWP)も肺動脈収縮期圧(PASP)の半分程度
  2. 明瞭なⅢ音を聴取したら左房圧(LAP)は25mmHg以上と予想される
  3. 臥床では右房から耳垂までの垂直距離は約10㎝(臥床で頸静脈拍動が顎下なら中心静脈圧は7-8㎝以下で正常)
  4. カルディオメムス(CardioMEMS)というワイヤレス肺動脈圧モニターがある
  5. 右房は通常,右第4肋間あたりに位置している
  6. Bernheim effect学会用語集でベルンハイム効果と訳されているが,正しくはバーンハイム音声) /フランス語風ならベルナイム(音声
  7. 圧上昇の身体所見:右心系 ➜ 脈管内=頸静脈,脈管外=下腿浮腫/左心系 ➜ 脈管内=Ⅲ音,脈管外=湿性ラ音

忘備録ですが聞き間違いがあったらすいません 😅

💁 忘備録に関する過去投稿 ➜ コチラ

松下記念病院 川崎達也)

2024-04-08

フィジカル忘備録:第21回循環器Physical Examination講習会より

  • 心房中隔欠損では肺高血圧がなくてもⅡ音の肺動脈成分が亢進する(肺動脈の基部が拡大し胸壁に近づく+肺血流が増加するため)
  • 心房中隔欠損では相対的PSによる収縮期駆出性雑音に加えて三尖弁拡張期ランブルを聴取することがある
  • 循環器フィジカルイグザミネーションの実際(2005/9/1,吉川純一編集,文光堂)は青本と言われている
  • Dr.水野のうたう♪心音レクチャー /ケアネットDVD(ケアネット,2017/1/1)がいい
  • 心不全の心機能分類 NYHA ではⅡ度はⅡs(slight limitation of physical activity)とⅡm(moderate limitation of physical activity)に細分するが,Ⅲ度はⅢa(慢性)とⅢb(最近の症状出現:Patients in NYHA class IIIb closely resemble those with a recent history of dyspnea at rest)
  • 心不全の身体所見の要は低還流,肺うっ血,体液貯留の3つである
  • 敗血症の低灌流は膝を見るとより(一番冷たい)
  • 下肢挙上は自己輸血(補液500mlと同じCRT改善効果)
  • 大動脈のRCCとLCCの間に左脚枝があるので手術時には慎重に行う
  • Prosthesis-patient mismatch (PPM) は患者の体格に対して不適切に小さい人工弁が留置され十分な有効弁口面積(EOA)が得られない状態
  • functional MRは雑音が聞こえにくい


当日の風景(少数の現地聴講+全国にWEB配信)

👻「忘備録」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

松下記念病院 川崎達也)

2024-06-17

忘備録:透析症例の頚静脈

  • 先日,第69回日本透析医学会学術集会・総会(パシフィコ横浜)でフィジカル(特に頚静脈の座位定性法)の話をさせていただく機会を得ました.早朝8-9時のセッションで軽食や飲み物のサービスはなく,地味なテーマなわりに比較的大きな会場でした(下記写真は7:30の時点).
  • 「ガラガラだったらどうしよう...」という演者の心配とは裏腹に,立ち見が出るほどの盛況でした(本当にありがとうございます🙏).その後の質疑応答が有意義だったので忘れないように記録しておきます.もっとも臨床で検討しエビデンスとして確立された内容ではありませんが... 

📣 会場でのやり取りの要約
  • 透析例で頚静脈評価のタイミングは透析後(退室前)に座位で行うのでよさそう
  • 透析例は少なくとも透析後に座位定性法を陰性に(除水後に中心静脈圧上昇なし)
  • ただ透析例の理想は透析前も座位定性法が陰性(日常生活で中心静脈圧上昇なし)
  • 透析前の体重増加が少し多くても座位定性法が陰性なら必ずしも水分制限は不要
  • 透析後に臥位で頚静脈拍動を視認してもOK(むしろなければ血管内脱水の疑い)

松下記念病院 川崎達也)

2023-12-21

動脈 vs 静脈:マイスターへの道

労作時の息切れで来院:拍動は動脈? 静脈??

👻 解説
  • 右頸部に周期性に隆起あり(左側も観察可能)
  • 一見,コリガン脈(動脈性拍動)に思われる
  • 吸気保持で外頸静脈の怒張が出現した(矢頭)
  • ARなどによる高心拍出状態で心不全の状態?
  • ただよくみると吸気で隆起上縁が上昇(矢印)
  • やはり拍動は静脈性で中心静脈圧は著明上昇
  • 最終診断は虚血性心疾患の非代償性左心不全

💚 マイスターへの道
  • 上記の動画をよく見ると,吸気負荷前からすでに吸気時の外頸静脈隆起を認めます(クスマウル徴候陽性).またVネックの上に開心術を思わせる手術創も確認できます(本例は冠動脈バイアス術後).さらに耳朶を確認すると45度の皺(フランク徴候)もあったので重症虚血性心疾患を予想しました(…と書きたいところですが実は耳は確認していません 😅 すいません).
  • 先日,日本不整脈心電学会が開催している心電図検定2023を初めて受けてきました.個人的には初期研修医と長年,心電図の勉強会(松下心電塾)を開催していることもあり,ある程度の知識は有していると思っていました.しかし試験対策では,12誘導心電図でここまで読めるのかと驚きの連続でした(忘備録).本ページでは心臓フィジカル・マイスターを目指してください.

松下記念病院 川崎達也)

2019-09-30

匠の業

  • 頸静脈拍動のa波は心電図のP波に対応 ➜ 下図の心房収縮(AS)
  • 頸静脈拍動のx下降は右房の拡張に対応 ➜ 下図の心室収縮(VS)
  • よって理論的には頸静脈拍動から不整脈を類推することができる


😶 頭の整理
  1. a波が消失 ➜ 心房細動や洞停止
  2. a波とx下降の関係 ➜ ウェンケバッハ型2度房室ブロックやモビッツII型2度房室ブロック,2:1房室ブロック
  3. 間欠的に巨大a波(cannon wave)➜ 3度房室ブロック

👶 おまけ
  • 頻脈になると波形解析は困難であるが,房室結節リエントリー性頻拍で出現するフロッグ・サイン 🐸 は覚えておきたい ➜ 自験例1自験例2

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松下記念病院 川崎達也)