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2021-02-15

簡易定性法 プラス Part 2

息切れの増悪で来院した症例

🐸 所見の解説
  • 鎖骨上〜頸部中央に内頸静脈の規則正しい陥凹 ➜ 心不全+洞調律
  • 拍動はおそらく二峰性でx谷>y谷 ➜ 心不全あるが超重症ではない
  • 深吸気で内頸静脈の隆起が出現している ➜ クスマウル徴候が陽性
  • 深吸気中には耳下まで内頸静脈の陽性拍動が出現 ➜ ランチシ徴候
  • 耳垂に約45度の皺が存在(フランク徴候)➜ 虚血性心疾患の疑い

🐨 独り言
  • 本例には冠動脈バイパス術の既往があり,今回は慢性左心不全の増悪と診断しました.座位で内頸静脈の拍動が視認できるから(座位陽性),心不全は十分には代償されていないと判断するだけではちょっと寂しい気がします.ぜひ頸静脈の簡易定性法にフィジカルの知識をどんどんプラスしていってください( 簡易定性法 プラス).その応用はほぼ無限かも…
  • 深吸気で内頸静脈の拍動が出現することはあっても,陥凹が陽転化することは珍しいと思います.なお本ページではGiovanni Maria Lancisiが発見した(三尖弁逆流時に出現する)頸静脈の巨大v波(cv merger)をランチージ徴候と記載してきました.しかし本邦ではランチシと記載されることが多いようなので,今回から変更しようと思います.もっともイタリア人の発音ではランチーシと聞こえますが…
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

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