- 当院の初期研修医である土橋先生が循環器内科で経験した症例が出版されました
- 労作時の胸痛で紹介受診して身体所見のばち指から肺癌合併の診断に至りました
- 肺癌 ➜ 狭心症の順に治療を行い,バチ指も経時的に改善しています(下の写真)
😀 追加コメント
- 本例は右肺尖部の肺癌で,パンコースト腫瘍として胸痛を生じることがあります(パンコースト症候群).しかし本例の胸痛は典型的な労作性でした.実際に肺癌切除後も胸痛は続き,冠動脈の治療後に消失しました.
- バチ指(Clubbed finger)を生じる機序として,「肺内シャントを通過した凝集血小板や巨核球から放出される血小板由来増殖因子で爪床下の軟部組織が増殖する」ことが推測されています(J Pathol 2004;203:721-8)
- 本例のばち指改善は肺癌の術後から始まりました.しかし冠動脈治療に関連して開始された抗血小板による効果もあったのかもしれません.両者の関係に言及した論文 ➜ J Am Acad Dermatol 2005;52:1020-8
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(松下記念病院
川崎達也)
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